札幌で民生委員30年三上嵩男さん(上) 来年制度100周年民生委員のいま
高齢化社会に対応した見守り・訪問の強化
そしてもうひとつの大きな役割が、65歳以上の高齢者の見守り・訪問です。円山地区にはおよそ30,000世帯が暮らしていますが、その中のおよそ700世帯が「独居」および「夫婦二人」の高齢者世帯となっています。 「この30年間で、高齢者世帯はかなり増加しています。その世帯を訪問し、どれくらいの頻度での訪問を希望するかどうかを確認し、それに合わせて見守り・訪問を行うのですが、やはり独居の高齢者は話し相手も少ないため、訪問の頻度は増える傾向にあります、全体で平均すると月2回ほど訪問し、体調の変化などがないかを確認しています。」(三上さん) とはいえ、急病などで倒れてしまったときなどはすぐにわからないこともあります。そこは、民生委員以外の隣人や新聞配送業者などと協力しあいながら、「些細な変化」に敏感に反応していきます。 「例えば、いつもは開いているカーテンが開いていない、新聞を片付けている時間なのにそのままになっている…。そのような些細なことでも、いつもと違いがあれば無事かどうかを確認しています。今後も高齢者世帯が増えることが予想される地域なので、見守り・訪問は強化していかないといけないでしょうね」と三上さん。その三上さん、実は今年11月をもって民生委員を定年引退することになっています。 次回は、その三上さんの30年の民生委員生活を振り返ってもらいます。 (ライター・橋場了吾)