サウジアラビア政府系ファンド、外国投資を削減して自国への投資を優先(海外)
サウジアラビアの政府系ファンドは、世界のエンターテインメント、スポーツ、インフラに数十億ドルを投資してきた。 【全画像をみる】サウジアラビア政府系ファンド、外国投資を削減して自国への投資を優先 現在この王国は、国内での支出を優先するために外国への投資を削減する計画を立てている。 AI(人工知能)が新たな投資の焦点となっており、サウジアラビアは世界的なテクノロジーハブとしての地位を確立しようとしている。 サウジアラビアは国内投資に注力するため、国外への支出を縮小している。 サウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(Public Investment Fund:PIF)のヤシル・アルルマヤン(Yasir Al Rumayyan)総裁は、2024年10月30日、この政府系ファンドの外国投資の割合を30%から約18%に縮小させる計画であると述べた。 「我々は国内経済により注力しており、多くの大きな成果を上げてきた」とアルルマヤン総裁はリヤドで開催された未来投資イニシアチブ(Future Investment Initiative:FII)の出席者に語った。このサウジアラビアが主催する国際的な年次ビジネス会議は、毎年1月にスイスのダボスで行われる世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)の年次会議にちなんで「砂漠のダボス」と呼ばれている。 PIFの総裁は「海外での取引の絶対額は引き続き増加している」と述べた。 PIFは近年、世界的なスポーツチーム、エンターテインメント、空港インフラ、ウーバー(Uber)などの注目される資産に数十億ドル(数千億円)を投資してきた。このファンドの資産価値は約9250億ドル(約138兆7500億円)だ。 これらの投資は、サウジアラビア経済の石油依存度を下げ、国を世界経済の重要なプレーヤーに変革することを目指す「ビジョン2030(Vision 2030)」計画の一環だ。 投資家たちは過去数年間、数十億ドル(数千億円)規模の案件を獲得するためにFIIに集まっていた。2023年の会議での取引総額は約180億ドル(約2兆7000億円)に達したとサウジ通信社(Saudi Press Agency)は報じている。 サウジアラビアはすでに資金の流出を抑制しており、外国のファンドマネージャーに対しても、投資の機会を得たり、ビジネス契約を結びたい場合、サウジアラビアへの投資を増やすように伝えている。 フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)によると、PIFのアメリカでの取引高は、2023年末の約350億ドル(約5兆2500億円)から6月30日には206億ドル(約3兆1000億ドル)に減少したという。 アルルマヤンは、投資家たちがすでにアプローチを変えていると述べている。 「以前は、我々のところに来て資金を求める人々が多かった。しかし現在では、我々の資金を受け取りたい投資家から共同投資を希望する投資家へと変化しつつある」 PIFの総裁はまた、サウジアラビアがAI(人工知能)企業やその投資家にとって最高の目的地になるという野心についても語り、AI技術の経済的影響が国力の原動力になるだろうと述べた。 「我々はAIへの投資について協議しており、中には初期段階の協議もしている。我々がAIに投資する理由は、サウジアラビアが地域のハブというだけではなく、グローバルなハブとして非常に良い立場にあるからだ」とアルマヤンは述べた。
Polly Thompson