捜索令状に「刑事訴訟法第110条と111条の適用は例外」と明記した判事に尹大統領の弁護団反発「何ら法的根拠なし」
12月31日に裁判所が発布した漢南洞の大統領官邸に対する捜索令状に、「刑事訴訟法第110条と第111条の適用は例外とする」という内容が含まれていることが、1日までに分かった。 【表】西部地裁の大統領官邸捜索令状を巡る刑訴法例外論争
この二つの条項は、それぞれ「軍事上の秘密に関する場所」と「公務員の職務上の秘密に関する場所」は、責任者などの承諾なしには押収または捜索できない、という内容だ。この事実が明らかになると、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領側は1日「司法の信頼を侵害する極めて重大な事案」だとして反発した。尹大統領側の弁護人団は「被申請人たる高位公職者犯罪捜査処長呉東運(オ・ドンウン)とソウル西部地裁令状専担部長判事李珣衡(イ・スンヒョン)が逮捕および捜索令状に『刑事訴訟法第110条と111条の適用は例外とする』という文言を明示した行為は、大統領の国家元首としての地位に伴う国軍統帥権を侵害するもの。権限争議審判を追って申請する」と表明した。 尹大統領を弁護している尹甲根(ユン・ガプグン)弁護士は1日午後、メディア向けの資料を通して「刑事訴訟法のどこにも、判事に法定刑の適用を例外とする権限を付与していない」とし、「何ら法律的根拠なく行われた、三権分立違反」と語った。さらに尹弁護士は「大法院(最高裁に相当)は速やかに真相調査を行い、事実であれば即刻、令状担当判事を職務から排除して懲戒すべき」と主張した。 先に韓国警察庁国家捜査本部の特別捜査団は、12月12日に大統領執務室・国務会議室・大統領警護処・合同参謀本部などに対する捜索を試みた。しかし大統領警護処は刑事訴訟法第110条を根拠として警察による捜索を拒否した。特捜団は12月17日、警護処のサーバーに保存されている秘話電話の通信記録を確保するため再び捜索を試みたが、警護処は同じ理由で「捜索には協力できない」と警察側に通知した。 尹大統領の逮捕令状と官邸の捜索令状の発布を受けた高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は、令状執行を前に警察と人員支援について話し合うなど、準備に乗り出したと伝えられている。呉東運公捜処長は1日、出勤途中に報道陣の取材に応じて「原則に基づいて権限を行使する予定」だとし、「期限内に(令状を)執行する」と語った。 イ・ミンジュン記者