上司との面談「月1回1時間」と「週1回15分」部下が成長するのはどっち?
部下との信頼関係を築くには、短い時間でも頻繁に面談することが大切だ。月に1回1時間よりも、週1回15分の面談を重ねる方が良いという。フィードバックを適切に伝えて、部下と良好な関係を保つために必要なこととは?※本稿は、難波 猛『ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 面談は月1回1時間よりも 週1回15分の方が良い 部下との信頼関係を構築するためには、部下とのコミュニケーションの「質」だけでなく「量」を増やすことも重要です。 心理学に、接触する頻度が高いほど相手に対する親しみが増すという「単純接触効果(ザイアンスの法則)」があります。1カ月に一度、1時間のミーティングを行っているなら、週に一度15分で月に4回行うほうが、部下の上司に対する親近感や信頼感は高まるということです。 最近は、リモートワークやテレワークという働き方が定着してきて、上司と部下が接する時間が減ってきている会社も多いと思います。「たまたま顔を見かけて雑談」という単純接触をする機会が減っているからこそ、短時間でいいので、定期的に1対1で面談の機会を設けることをおすすめしています。 短い時間ですから、かしこまって話す必要はなく、日頃のポジティブな声がけの延長戦といった感覚でいいと思います。 基本は「部下が話したいこと」が望ましいですが、「一昨日のミーティングの発言は良かったですね」「先日のプロジェクトでの対応は助かりました」とか、「趣味のテニスは続けていますか?」といったプライベートな内容から入って「ラポール(信頼関係)」形成もいいでしょう。 ● オンライン面談を活用し 部下との接触機会を増やす 単純に接触機会を増やすという意味では、実はオンライン面談は使い勝手のいいツールです。
オンラインのいいところは、距離的に離れていてもすぐに始められるところと、時間的に区切りやすいところです。面談のために会議室を用意する必要もなく、ダラダラと話が長くなることもありません。勤務地や勤務形態の違いで不公平が生じる確率も軽減します。 ZoomやMicrosoft Teamsなどのオンライン会議ツールで時間設定しておけば、15分なら15分で、きっちり面談終了しやすいです。上司にとっても、部下にとっても、ストレスがかからないお互いに話しやすい面談と言えます。 ただし、「時間が空いたら」というのではなく、「月曜日の午前中」「金曜日の午後」などと、面談の時間は決めておいたほうがいいでしょう。あらかじめ決めておかないと、目の前の仕事が忙しくなると流れやすくなります。 また、細かいテクニックですが、スケジュールやミーティングのURLは上司ではなく部下に設定・調整してもらいましょう。 「上司に決められた」ではなく「自分で決めた」感覚を持つことが面談の「やらされ感」を軽減します。目的は部下との信頼関係の構築、そのために接触機会を増やすことです。 ● ショックを与えないために 予測可能なフィードバックをする 日頃の部下とのコミュニケーションのなかで、ポジティブ4、ネガティブ1を意識することは、ネガティブフィードバックで伝える耳が痛い話による部下へのダメージを軽減する効果もあります。