上司との面談「月1回1時間」と「週1回15分」部下が成長するのはどっち?
フィードバックがまったく予期していない内容であれば、部下にとっては相当にショッキングなことです。すぐに納得できることなどないでしょう。 しかし、事前になんとなく予測できていたとしたらどうでしょうか。 厳しいことを伝えられることがわかっていれば、少なくとも心の準備はできます。なかには、変わらなければいけないことに対して、すでに前向きになっている人もいるかもしれません。 ネガティブフィードバックでの部下のダメージを軽減するのが、日頃のコミュニケーションでのネガティブ1です。 ふだんから気になった点を少しずつ指摘して話し合っておけば、その時点から行動が改善されることもあるでしょうし、期末の評価などで伝えられる厳しい内容に部下が大きく動揺することもないでしょう。上司としては、行動変容に向けた話をしやすくなります。 「期末評価でサプライズを起こさない」ことは重要です。 「そう言えば日頃から指摘されていたな」「確かに、フィードバックに対して改善が不十分だったな」と部下が思えれば、最終的に厳しい結果となっても、部下はある程度受容していきます。 逆に「それなら、もっと早めに教えて欲しかった」「自分の行動は、今までそんな風に見られていたのか」と感じさせてしまうと、部下は自分の行動への内省ではなく上司への不信が先に頭に浮かぶことになります。
● 人前で指摘することはNG 守るべき鉄則は「1対1」 日常のコミュニケーションのなかでネガティブなことを伝えるときに気をつけるのは、「部下と1対1で話す」ことです。 上司の中には、「みんなの前で指摘すると、他社員の指導にもつながるので一罰百戒の効果がある」「恥をかいた部下は、一念発起するはず」と考える人もいますが、基本的に逆効果になります。 みんなの前で指摘された部下は、「恥をかかされた」と怒りや不安を感じる人が多く、上司の言っていることが正論だったとしても、理論的に受け止めるより感情的に納得がいかない状態になってしまいます。 周囲のメンバーも「自分もミスをすると、部署メンバーの面前で指摘される」と考えて萎縮してしまったり、「シャーデンフロイデ(人の不幸は蜜の味)」で暗い快感を覚えたりすることで組織の風土は悪化します。 指摘するときは、会議などが終わった後に「ちょっといいですか?」と残ってもらう、オンラインの場合はミーティングを終わらせて「この後5分だけいいですか?」とメッセージを送るなど、場を区切るのが鉄則です。 部下と良好な関係を築けていれば、「今日の面談はいつもと違うな」という雰囲気を伝えるだけで、上司の言葉に真剣に耳を傾けてくれるはずです。