トランプ氏“3期目説”早くも浮上「任期を制限する憲法条項」に“抜け穴”?「憲法会議」で改正という“奥の手”も
「憲法会議」という“奥の手”
トランプ次期大統領もこうした動きにはまんざらでもないようで、13日、共和党下院議員団との会合で冗談めかしてこう言った。 「次の選挙のことだけど、君らが何か動きを起こさない限り僕は出馬しないよ。君らが『彼(トランプ)はいいじゃないか。(3選に向けて)何か考えなければ』と言わない限りはね」 その「何か」だが、最近浮上してきたのが憲法を改正してしまうという発想だ。 合衆国憲法の修正を発議するには上下両院でそれぞれ3分の2の賛成が必要と決められている(合衆国憲法第5章)。第2期トランプ政権下で共和党は、上下両院でギリギリ過半数を占めているだけなのでこれは無理だが、第5章には次のような条文が続いているのだ。 「または、3分の2の州の立法部が請求するときは、修正を発議するための憲法会議を招集しなければならない」 今回の選挙の結果、全米50州中28州の議会が共和党支配、18州が民主党支配で4州が同数となっている(NCSL調べ)。これなら地方議会工作をして3分の2州の請求をまとめられる可能性もあるし、2年後の中間選挙で達成することも可能なので、民主党側は「憲法会議」に危機感を募らせていると言われる。(ニュースサイト「DNyuz」12月16日) いずれにせよ、米国史上2人目の大統領カムバックを果たしたトランプ次期大統領は、次に、やはり(4期改選されたフランクリン・ルーズベルト大統領に次いで)史上2人目の2期以上の再選を狙って米政界を賑わすことにもなりそうだ。 【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】 【表紙デザイン:さいとうひさし】
木村太郎