黒海でロシア籍タンカーの漂流相次ぐ、新たに3隻目 先に難破した2隻からは原油が流出
ロシア本土とクリミア半島の間にあるケルチ海峡で15日に難破したロシアのタンカー2隻から流出した原油は、黒海沿岸の数十キロにわたり広がっているとみられる。事故による原油の流出規模はまだ明らかになっておらず、周辺の沿岸地域では非常事態宣言が発令されている。 タス通信によると同地域では、新たに3隻目も漂流。ただし船体に損傷はなく、原油の流出はないという。 この事故は、同地域では過去数年で最大規模の環境災害になる恐れがある。 「ボルゴネフト212」は15日、半分に折れて船首側が沈没。乗組員1人が死亡した。2隻目の「ボルゴネフト239」も重大な損傷を受け、海峡東岸から80メートル沖で漂流した。乗船していた14人は、全員救助された。 タス通信によると、15日に難破した2隻は建造から50年以上が経過。事故当時、合計6万2000バレルの石油製品を積載していたという。ロイターが確認した証明書によると、3隻目も同じく老朽化していたとみられる。 当局は、原油が海岸に到達したため、周辺のテムリュク地区、アナパ地区の一部集落に非常事態宣言を発令。ロシア天然資源環境省は16日、原油の流出規模はまだ不明だと述べていた。 事故が起きたケルチ海峡は、ロシアの重要な穀物・燃料輸出ルートにあたる。