贅沢素材を活かした珠玉の一皿が次々と! 記念日に使いたい銀座の小さなイタリアン
鰆に合わせたいのは、イタリア・カンパーニャ州の白ワイン。「色の濃さでわかるとおり、遅摘みして完熟したブドウを使っています。南国系のボリューム感のあるワインが脂ののった鰆にぴったりで、発酵時に樽を使っているニュアンスも炙った鰆によく合いますね」と青池さん。ワインに柑橘の香りもあり、付け合わせの柚子の風味にもマッチしていた。
リードヴォーのマルサラ風味✕果実味ロゼワイン
前菜は肉を使った料理もあり、秋のおすすめは「フランス リードヴォー(仔牛胸腺)とポルチーニのマルサラ風」。リードヴォーとポルチーニをマルサラとバターで風味づけされた一皿。見た目は地味だが、旨みが凝縮されており、かなりワインを誘う味わいになっていた。
リードヴォーにペアリングしてもらったのは、アブルッツォ州のロゼワイン。2019年にイタリアのガンベロ・ロッソ誌で最高評価トレ・ビッキエーリを受賞している。「色の濃さでわかるとおり、果実味やアルコール度も高いですが味わいがシャープで、お肉にも合います」と青池さん。ボリューム感がマッチしていつつ、旨みの強い肉料理をきれいにしてくる組み合わせだった。
蝦夷鹿のロースト✕エレガント赤ワイン
この時期のメインのおすすめは季節を表現した一皿。「おいしくなってきた蝦夷鹿をローストして、ポルト酒とシェリービネガーのソースでクラシックに仕立てています。八ヶ岳の根菜やトリュフで秋らしさを感じてください」と野崎シェフ。トリュフの香りが鼻孔をくすぐり秋の味覚として満喫できるだろう。
蝦夷鹿のローストには、イタリア・ヴェネト州の人気生産者ラルコの赤ワイン。「クセの少ない鹿には、果実味があってタンニンが控えめでエレガントなこちらのワインがおすすめです。トリュフの繊細な風味にも寄り添えるバランスがちょうどいいですね」と青池さん。タンニンのニュアンスは少ないが余韻は長く、秋の味わいを深めてくれるマリアージュだった。
「マルヴィラとの出会いは2008年、イタリアで日本人の友人が働いていたワイナリーです。そこで飲んだワインがおいしくて自然派ワインを知るきっかけになりました。それ以来、フリウリなどを訪れて自然派ワインを追求し、帰国後に店を開いて扱うようになっています。もちろんマルヴィラはその筆頭です。コロナ禍でも来日した時は当店にも来ていただきました。