日本初上陸クラッシュドアイスに1万人熱狂。“レジェンド”山本純子が6位健闘!
氷上レースのアイスクロス・ダウンヒル世界選手権「レッドブル・クラッシュドアイス」の決勝が8日、横浜みなとみらいの臨港パーク特設会場で行われ、日本から男女4人が予選を通過、女子の部で創設期から参加している“レジェンド”山本純子(36)が6位、初参戦の女子高校生、吉田安里沙(17)が15位、インラインスケートの世界王者から特別参戦した安床兄弟の弟・武士(32)が36位、山内斗真(20)が52位という結果に終わった。日本初上陸となった今大会は、2日間で延べ約1万人を動員。日本人選手と世界との差は、まだ大きいが新スポーツとしての可能性を感じさせるイベントとなった。 インタビューエリアから安床武士が絶叫した! 「純子! 前へ! 前へ!」 準決勝進出をかけたベスト16の戦い。スタートからショートトラックの元五輪代表だったベロニカ・ウインディッシュ(オーストリア)、タマラ・ミュッセン(米国)の外国勢が先手をとって山本は3番手、吉田は最後の4番手と遅れた。だが、難しい最初のヘアピンを過ぎたセクションで2番手のタマラが転倒した。クラッシュドアイスは全長約350メートル、高低差が約22メートル、最大斜度42度で、ジャンプ台などの障害が作られたコースを4人で滑走。上位の2人抜けで、準々決勝、準決勝を行い、最後は4人で決勝を争うレースだ。 転倒者に巻き込まれず、すっと2番手に出た山本は、そのままの位置をキープして準決勝進出を決める。 山本は、インラインの世界王者で安床兄弟が練習拠点とする神戸の「“g”スケートパーク」にオフの間に月一ペースで通った。このレースで転びながらも、なんとか完走した女子高校生の吉田は、インラインスケートの安床兄弟の教え子。 「チームジャパンで戦った」(安床武士)と全員で今大会に向けて合同練習を行ってきた。もちろん、同じような氷上コースはないため、氷上練習のときは、1時間2万5000円のリンク使用料をみんなで割り勘にして負担するという涙ぐましい努力をしながら、4人が、予選を通過したのである。 男子は64人で決勝進出を争うが、安床武士は予選28位。もう一人、現役の同志社大のアイスホッケー部の山内は、LCQという“敗者復活戦”を勝ちあがってのラウンド・オブ・64だった。 組み合わせは、タイムトライアルの結果から上位と下位の組み合わせで決まるが、「偶然にも運命的に」(安床武士)男女共に日本人2人ずつが同組になった。