ユーロ圏経済、「人々が考えているほど悪くない」-ECBクノット氏
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は7日、インフレが緩和し、借り入れコストが低下しているとして、欧州経済の見通しに楽観的との見解を示した。
クノット氏は、最近の低成長は消費者物価の抑制を目的とした金融引き締め政策によるものだと述べた。また、インフレ率が持続的に2%の目標を達成するとの見方が強まっていると説明した。
クノット氏は、「ユーロ圏の見通しは、人々が考えているほど悪くはないが、素晴らしくもない」とした上で、個人消費が近く回復するとの見通しを示した。
ECB当局者らは、来月予定されている2024年の最後の政策委員会会合に向けて準備を進めている。10月に2%の目標を達成したインフレの減速や、域内経済低迷の懸念を反映し、市場は中銀預金金利25bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%)の追加引き下げの可能性が最も高いとみている。
その上、当局者らは今や、ドナルド・トランプ氏が米大統領の座に再び就くことも考慮しなければならない。特に、トランプ氏が以前から警告している、米国への輸入品に対する高関税導入の可能性だ。ECBのデギンドス副総裁は6日、トランプ氏の当選が確定した直後、高額な関税が課されれば「甚大な」影響が及ぶと警鐘を鳴らした。
クノット氏は、国際貿易に障壁を設けることについて、「新技術の普及を難しくし、生産性の成長に悪影響を及ぼし、また、団結して世界的な課題を共にで解決する力にも影響が出るだろう」と強調した。
原題:ECB’s Knot Is Optimistic on Outlook for Euro-Zone Economy(抜粋)
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Cagan Koc