巨人・堀田、満塁しのぎ4球で632日ぶり白星「感覚もいい」 オフに学んだピンチで心と体整える“岡本の呼吸”
◆JERA セ・リーグ DeNA2―6巨人(28日・横浜) 巨人は新打線が機能してDeNAに連勝し、2カード連続勝ち越しを決めた。同点の5回1死満塁から救援し、併殺で切り抜けた堀田賢慎投手(22)が2年ぶり白星。 【動画】堀田賢慎、気迫のこもった投球練習 * * * * 絶体絶命のピンチを脱すると、堀田は右拳をがっちりと握り、雄たけびを上げた。2―2の5回1死満塁。厳しい局面で2番手としてマウンドに上がった。相手は4番・牧。1ボール2ストライクからチェンジアップで三ゴロ併殺に仕留めた。直後に味方が勝ち越し、22年8月5日のヤクルト戦(神宮)以来632日ぶりのプロ3勝目。決して表情を緩めないところに頼もしさすら漂った。 「4球で勝利、ラッキーだなというのもあるんですけど、任された場面で抑えることが大事。うれしい気持ちもありますが、次に切り替えて準備していきたい」 19年のドラフト1位右腕にとって初の救援勝利。プロ入り後、ここまでの大ピンチでの登板は「初めて」と明かした。それでも5回に走者が出てから本格的に肩もつくり、準備はできていた。前回登板の20日・広島戦では1回1失点で「続けないように、絶対に抑えてやるという気持ちでずっと準備していた。最高の形でアウトを取れて良かった」。阿部監督も「あれに尽きるかなと思います」と極上の火消しをたたえた。 高卒5年目を迎え、1軍で投げ始めた22年や昨季とは変化がある。「打たれるのが怖くなくなったというか、走者が出ても落ち着いているのは自分でも感じます。周りがうまく見えている」。昨冬の台湾ウィンターリーグで最速157キロを計測した直球やチェンジアップへの手応えも増した。鍛錬と経験を積んだことで「自信を持って投げる球が多くなっている」と堂々とした投球ができている。 オフに岡本和から学んだこともあった。「ふぅーっ」と息を吐いて投球動作に入るしぐさは、主砲が打席で構える前と一緒。「(岡本和は)腹圧を入れながら、整えて入るみたいで。僕はセット(ポジション)に入った時の構えを大事にしていて、その形を呼吸を整えて決めています。今やっていて、感覚もいい」。体が早く開く悪癖も改善傾向にあるという。 13日には先発もしたが、再びリリーフ陣の一角として存在感を増している。「9連戦はあと3つ続きますが、どこでも投げられる準備はして、アピールしていきたい」。鉄壁な投手陣の一員として、確実に芽を出し始めている。(田中 哲)
報知新聞社