困難に強い子を育てる親の言葉 アドラー心理学の「勇気づけ」とは?
2.激励は勇気づけではない 親は激励すれば、子どもが奮い立ち、やる気を起こすと思い込んでいます。そのため、子どもが何か失敗したり、落ち込んだりしたとき、親はつい「大丈夫!」「がんばれ!」「もっと元気を出して!」と励ましてしまうのです。 ところが、激励された子どもはプレッシャーを感じます。「ボクの気持ちをわかってくれない」と感じたり、皮肉に受け取ったり、負担に感じたり、焦ったりします。そして意欲をなくしていきます。
3.ともによろこぶことが勇気づけ 勇気づけとは、子どもの側に立って、子どものよろこびを感じ取り、ともによろこぶことをいいます。子どもの努力の結果に対して、ごほうびやほめ言葉で評価するのではなく、子どものうれしい気持ちに「共感」し、ともによろこびます。 子どもにつらいことがあったとしても、「この子はきっと自分で克服できる」と子どもを信頼し、尊敬し続ける親の姿勢が子どもに安心感を与え、子どもを勇気づけることになるのです。 4.ともに悲しむことは、かならずしも勇気づけにならない 子どもが悲しんでいるときに、ともに悲しむことは、多くの場合、勇気づけになりません。なぜなら、これは、子どもをあわれむ「同情」になり、子どもを支えていることにはならないからです。 勇気づけは、お互いに信頼して、はじめて成り立ちます。同情では、子どもを尊敬していることにはなりません。同情された子どもは、自分をみじめに感じます。子どもの悲しみを「理解」することと、ともに「悲しむ」こととは違うのです。
岩井俊憲(アドラー心理学カウンセリング指導者),藤井昌子(イラスト)