米、メキシコからの一部アボカド輸入を停止-検査官の安全確保で
(ブルームバーグ): 米国は同国の農業検査官の安全が脅かされたとされる事件を受け、メキシコの一部地域からの新たなアボカド輸入を一時停止した。
米農務省は今月14日、メキシコのアボカド輸出に携わる生産者・包装業者団体APEAMに対し、ミチョアカン州からのアボカド輸入を停止すると通知した。ブルームバーグが同団体への通知文書を確認した。
同文書には事件の説明はなかったものの、メキシコのメディアによると、警察の給与を巡る抗議活動が起こる中、米国の検査官2人が拘束され、攻撃を受けたという。
米農務省報道官は電子メールで送付した声明で、ミチョアカン州での職員の安全確保のため同州でのアボカドとマンゴーの検査を一時停止すると説明した。治安情勢を検証し、職員の安全対策を講じるまで検査の停止は続く。
同報道官はすでに輸送中のアボカドとマンゴーはこの措置の影響を受けないと説明した。メキシコ産アボカドの輸入停止はここ2年半で2回目。
メキシコ当局は国内最大のアボカド産地であるミチョアカン州の治安維持に取り組んでいるが難航しており、同州では犯罪組織による暴力やゆすりがまん延している。検査官が脅しを受けたことをきっかけに2022年2月に取られた輸出禁止措置は同州政府が治安対策を実施したことで1週間で解除された。
原題:US Stops Some Mexico Avocado Shipments Due to Inspector Incident(抜粋)
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Eric Martin, Kelsey Butler