「文系」東大生がエンジニア採用 大学では「古典」研究、ICT業界を目指した理由
ICT業界というと、理系や情報系学部の出身者が目指すところというイメージがありますが、実際には幅広い学部の出身者が活躍しています。ICT業界で急成長し、有名人を起用したCM やSNSを活用した採用活動で認知度と人気が上がっているS k y株式会社には、アプリ開発に携わっている入社間もない文系出身の社員もいます。大学で古典を学んだ学生が、エンジニアとして採用されました。そうした社員は、大学時代にどのように学び、同社への就職を決めたのでしょうか。 【写真】「学歴フィルター」は都市伝説? 就活生が語る「体験談」
業務系システム開発などを手掛けるS k y株式会社の2023年度の新卒採用は178人。出身大学の学部は理系57%、文系43%で、文系出身者が意外と多いことがわかります。22年に入社した塚田陽太郎さんは社内システムを開発する部署で、ウェブアプリケーションの開発を担当しています。技術職は理系や情報系学部の出身が多いイメージですが、塚田さんは東京大学文学部の出身です。大学では古典を読み解く研究室に所属していました。ICTとはずいぶんかけ離れた分野ですが、この業界に興味を持つようになったのはなぜでしょうか。 「大学3年の夏ごろから就活に向けて動き始めて、広告業界などのインターンシップに参加しました。現場で社員の方と接するとすごいなと感じる部分があって、そのまま広告業界に絞って就活をしようと思っていました。しかし、4年の春ごろにエントリーシートを書き始めたら、自分の中でしっくりくるような志望動機が書けなくて。もう少し視野を広げて他の業界についても研究しようという気になりました」 就活サイトで業界についての情報収集をしたり、改めて自分が本当に好きなことは何かといった自己分析をしたりする中で、興味が出てきたのがICT業界でした。 「『自分たちでモノを作る』というところに魅かれました。ICT業界の仕事の一つは、ソフトウェアを作ってその価値をお客様に届けることです。幼少期から工作などモノ作りが好きだったので、自分にもできそうだなと感じて、ICT業界のエンジニアになろうと決意しました」