「ダンボルギーニ」が全国をめぐる!段ボールを使った挑戦の次の一手は
段ボールでまちをつくる
今野社長は「一般社団法人防災ジオラマ推進ネットワーク」で理事を務め、全国の小学校でこの事業を展開している。 3月19日、女川町の中心にある公共施設「まちなか交流館」で、「段ボール防災ジオラマ」の授業があった。女川小学校5年生の児童12人が4組に分かれ、等高線の形に切り抜かれた段ボールを重ね、ボンドで貼り付けていく。最初はただの段ボールだったものが、重ねていくにつれて、立体的に浮かび上がってくる。4組が作ったジオラマを合体させ、女川町の立体ジオラマが完成した。
完成した立体ジオラマを前に、先生が呼びかける。「津波は、段ボールの4段目まで来ました」。1/1000のジオラマなので、段ボール1段は5m。女川町には20メートルの津波がきた。「今の小学生の子たちは、東日本大震災の時は保育園でしたから、津波のことをあまり覚えていないのです」と、女川小学校の阿部清司校長。「『女川町の街を愛する』というのが、女川小学校の理念。自分の手で街を作り、結果として防災教育もできれば素晴らしいことです」 今野社長は「自分の手でモノを作る、共同作業で作る、という五感を使った体験を、この段ボールジオラマですることができるのではないか」と、段ボールジオラマづくりに大きな教育的意義を見出している。
「動き出すことの大切さ」
「ダンボルギーニ」「段ボールジオラマ」と次々と新しい挑戦を繰り出す今野社長を駆り立てるものは何か。それは、「したいことへ動き出すことの大切さ」だという。挑戦を通じて、多くの人々に、段ボールやモノづくりの「可能性を感じて欲しい」という今野社長。3月12日と13日には、「ダンボルギーニ」を映像で彩る「プロジェクションマッピング」にも挑戦した。「格好良いこと、面白いことをやっている大人がいる」。今野社長の挑戦は、地方にいる多くの若者や大人たちを勇気づけている。 (中野宏一/THE EAST TIMES)