“ガザ衝突”半年 子どもたちは…栄養失調で死亡、海外でケガの治療受けるケースも
イスラエル軍とイスラム組織「ハマス」との戦闘が始まってからまもなく半年。ガザ地区では多くの子どもが栄養失調になり、攻撃の被害にあうなどしていますが、その子どもたちを救うため、あるプロジェクトが行われていました。
5日、私たちが向かったのは、支援物資の搬入ができる「ケレム・シャローム検問所」です。周辺には、大型トラックが列をなしていました。 記者 「ここはガザ地区との境界から2キロほどの地点で、ガザ地区南部の町並みを見渡すことができ、時折大きな爆発音が聞こえてきます」 この検問所とは別に新たに開放されることが決まったのが、北部にあるエレズ検問所です。 アメリカのバイデン大統領がネタニヤフ首相に対し、人道危機に対応しなければイスラエル支援を見直すと警告したことをうけた措置だとみられます。 一方で、ガザ地区では今もイスラエル軍による激しい攻撃が続いています。
事の発端は去年10月── ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」が、イスラエルを奇襲攻撃し、その報復としてイスラエル軍がガザ地区を空爆したことによって始まった大規模な軍事衝突。争いはまもなく半年を迎えます。 「ハマス」殲滅を掲げ、地上侵攻を開始したイスラエル軍は、ガザ地区の大部分に進軍しているとみられています。 ガザ地区保健当局によると、ガザ地区で亡くなった人は3万3000人を超えました。
戦闘が続く中、深刻化しているのが食料不足です。 住民は野草で作ったスープを食べ飢えをしのいでいますが、病院には栄養失調で倒れた子どもの姿もありました。 娘が栄養失調の母親 「娘には5日間、食べ物も飲み物もあげられていません」 国連は、これまでに27人の子どもが栄養失調で死亡したとしています。
こうした中、イタリアなどが始めたのが、けがをした子どもたちを海外へ移し治療するプロジェクトです。 私たちが取材したのは、イタリアで治療を受けている、ガザ地区出身のアダムさんです。 ガザ地区出身のアダムさん(17) 「隣の家を爆撃されて破片が足に直撃したんです。それ以来、足が動きません」 ◇ アダムさんが見せてくれたのは、ガザ地区に残る父親から送られてきた動画です。そこには、テントを立てて暮らしている家族の様子が映っていました。 アダムさんの父親 「これが私たちのテントだ。全員がここで寝ているよ」 自宅は空爆で全壊してしまったといいます。 アダムさんの弟 「朝から晩までミサイルの音ばかり。あちこちでミサイルが飛んでいるんだ」 こうした状況の中、アダムさんの母親が気にかけていたのは… アダムさんの母親 「アダム元気にしている? 体に気を付けるんだよ」 ◇ ガザ地区出身のアダムさん 「治療が終わったらすぐに母の所に行きたいです。ここには生活はありますが、大切な人はいません。どうすればいいんでしょうか」 4月6日(土)午前0時放送(金曜深夜)「news zero」より