堺正章のエンターテイナーぶりに「元気だなあ」 サプライズ出演も歌にMCに圧倒的存在感
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 初めて堺正章(78)の歌声を認識したのは子どものころ、NHKみんなのうた「北風小僧の寒太郎」だったと思う。あとはテーブルクロス引きに代表されるミスターかくし芸のイメージが強かった。 24年12月25日、横浜市内で3ピースバンド、NARITA THOMAS SIMPSONのクリスマスライブにサプライズ出演。アンコールで呼び込まれると「さあみんな、いくぞ~!」「いくぞ~!」と客席をあおっていた。「イエーイ!」とレスポンスした観客を「いってらっしゃ~い」と突き放し? ずっこけそうになった。 生でパフォーマンスを見るのは初めて。グループサウンズメドレーが始まると、振り付けにジャンプがあった。ステップもある。ぴょんぴょん跳び、それでいて歌声はぶれなかった。 MCは年齢ネタで笑いをとった。「私、こんなに赤い衣装を着たのは還暦のちゃんちゃんこ以来です。随分前ですけども」。さらに男闘呼組メンバーを中心としたバンド、Rockon Social Clubに「僕をメンバーにしていただけませんか? 毎回点滴打ってきますので。パワーつけてきますので」とお願いした。 観客を自然に巻き込んでいく。「次の曲をオーディション曲としましょう。皆さんも審査員ということで。その辺、分かってるでしょうね? 段取りよくやってくださいよ」と言ってバラードを歌い上げた。 「さあ! それでは審査結果の発表です。堺正章が加入することが、グループの将来に有意義であると思った方、手を挙げてください。わかってますね」と念押し。空気を読み違えた? ファンたちが一斉に挙手すると「すみません、ここはですね、上げないほうがいいんですよ。上がると私がウキウキしちゃうから。谷底へ落としてほしいんですよ。もう1回聞きますよ。私が入ってもいいと思う方~?」。 やり直し、シーンとした会場を見渡すと満足そうに「はい!ありがとうございました。じゃあ外から応援しま~す」。自らオチをつけて去っていった。ゲストながら圧倒的な存在感で盛り上げた。終演後、関内駅へ向かう道中で隣を歩いていた男性が口を開いた。「マチャアキ、元気だなあ」。まったく同感。さすがのエンターテイナーぶりで、耳と目が楽しいクリスマスになった。【鎌田良美】