菜々緒「鷹野のように生きなさいと言われている気がした」 主演ドラマ『無能の鷹』への想いを語る。単独インタビュー
「生きるための様々なヒントを皆さんに受け取ってもらえたら」 最終話に向けて
―――色んなシーンがあったと思いますが、個人的に菜々緒さんが一番笑ったシーンはありますか? 「第5話で朱雀部長(高橋克実)と鴫石部長(安藤玉恵)が会議室で喋っているシーンがあって、スタッフさんからは『(背景に鷹野たちがいる)オフィスの方は頭がちょっと見きれるくらい映ります』と聞いていました。でも、舞台なんじゃないかというくらい、皆さんが恐ろしいほど全力でふざけながらも真面目にお芝居をしていて、立てないくらい笑っちゃって(笑)。その皆さんの全力さも愛おしかったです(笑)。ほかにも笑いすぎて何テイクも撮るシーンもあったりして、皆が現場を楽しんで役柄を作り上げているんだなと感じました。定点カメラをつけてずっと見ていたいくらい、ひとつひとつのシーンが面白かったですね」 ―――話を聞いていると、実際には見ていないのに現場の雰囲気がとても明るかったことが伝わってきます。 「そうですね、本当に“いい人オーディション”があって配役が決まったんじゃないかと皆で話してしまうくらい(笑)。ドラマ内でも、鷹野を見守ってたまに否定もするかもしれないけど、それでも居場所を作ってあげる温かさというのは皆さんの人柄とも通じているような気がしていて。主演をやらせてもらいましたが、ご飯行こうよとか飲み行こうよと私は率先して言えないタイプです。でも、井浦新さんが率先して誘ってくれたりして、すごくありがたかったです。一人ひとりがすごく明るくて、現場の雰囲気も良くて、それも無理してやっているというのではなく、元々持ち合わせている皆さんの人柄の良さなんです。高橋克実さんもクランクアップの時に『こんな現場今までなかった』と言ってくださっていて、本当に幸せな時間でしかなかったですね」 ―――29日に『無能の鷹』は最終回を迎えます。改めて作品を通して、視聴者にどのようなメッセージを届けたいと思いますか? 「最終回も急展開で、はじめから鷹野ワールド全開です。彼女が何事も疑わずにまっすぐに受け取って行動していくことで道が開いていきます。ありのままの自分でいることがいかに大事か、自分らしさや自分のペースでやっていくこと、人と比べないことなど、人間としてのあり方を鷹野は見せてくれていると思う。コメディだけど、すごく深いメッセージを視聴者に与えられている作品じゃないかなと感じていて、生きるための様々なヒントを皆さんに受け取ってもらえると嬉しいです」 【著者プロフィール:まっつ】 1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
まっつ