「1000円の壁」も余裕で超える!お客に文句を言わせないラーメン店の「うまい値上げ」
食材、光熱費、人件費などが高騰している昨今、多くの飲食店が商品の「値上げ」に迫られている。とはいえ、「値上げしたいけど、客が減ったらどうする?」「大手とちがって、ウチが値上げなんてしたら、食べログに何書かれるか……」と悩んでいるオーナーも多いだろう。 【マンガ】外国人が「うまい」と評したラーメン、日本人には「衝撃」だった… 飲食店専門の中小企業診断士で、著書に『小さな飲食店のお客が減らない値上げ』がある難波三郎氏が、前編記事〈「金土日だけ500円アップ」「価格をあえて端数に」実際にあった飲食店の「うまい値上げ」〉に引き続き、さまざまな実例を挙げながら、客を減らすことなく値上げに成功する方法を教える。
「ラーメン1000円の壁」なんて関係ない?
今度は、食事系のお店の例をご紹介します。 ・ラーメン店の例3選 私が東京で仕事をするとき、よく行く街があります。ラーメン店がそこそこあってある程度、競争が激しいです。そんな中、少しずつ変わっていったお店を紹介します。 1つ目は、880円だったラーメンを、店名を入れた「◯◯ラーメン」として、1000円にしたお店です。 ついでに、「ラーメン(肉抜き)」という商品が誕生し、700円で売られていました。おそらくSNSで壁を越えたことを叩かれるのを気にして、下の商品を導入したのでしょう。下の商品の価格を下げすぎと感じましたが、これの注文比率は低いので、値上げに成功しています。 デフォルトのラーメンを値上げすると、すべての原価率が下がります。値上げの方法としては、これが王道です。 2つ目は、デフォルトのラーメンは数十円しか上げず、トッピングの価格をじわじわ上げたお店です。 煮卵やのり、辛もやしなど、そのお店に行ったら必ず食べたい食材があります。そのため、原価率から値付けするのではなく、「食べたいお客は、お金を払う」という考えで、そうしたのでしょう。煮卵はいつの間にか150円になっていて、ライスも上がっていました。 これは参考になります。人は、自分が食べたいと思って買ったために高額になっても、自分で選択したことなので文句はないのです。