「夢をかなえる原動力は怒りだった」韓国バドミントン協会内紛か 女性金メダリストが悲痛な訴え 「失望が大きかった」協会に対し国も調査に乗り出す構え【パリ五輪】
パリ五輪、バドミントン競技においては日本からは「シダマツ」の愛称で知られた志田千陽・松山奈未ペアが女子ダブルスで銅メダルを獲得、「ワタガシ」こと渡辺勇大・東野有沙ペアも混合ダブルスで銅メダルに輝くなど、明るい話題であふれた。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック 一方、韓国では選手が協会批判とも受け取れる発言を行い、注目を集めている。 世界ランキング1位の韓国の安洗塋(アン・セヨン)は女子シングルス決勝を同9位で中国の何冰嬌を2―0で下し、金メダルに輝いた。韓国女子シングルスとしては、1996年アトランタ五輪以来、この種目で28年ぶりの金メダルをもたらすなど韓国バドミントン界にとっても快挙となったが、内心は複雑な思いを抱えていたようだ。 決勝戦では「窒息守備」と称される、相手コートのコーナーを突きさすようなショットを連発。第1セットを先取すると、第2セットでは一時は11-11に追い付かれるも、粘り強く戦い、ストレートで相手を下した。 1番輝くメダルを獲得したものの、試合後には協会の対応に不満を漏らしたことが報じられている。 韓国メディア「中央日報」によれば、「私の膝の負傷の程度は思ったより深刻だった。すぐに良くなるようなレベルではなかった」とコメント。アン・セヨンに関しては昨年のアジア大会で右ひざを痛め、その後、じん帯損傷の重症だったことが明らかになっている。 その後もパリ五輪に向けて調整を続けたが、「協会はとても(ケガを)軽微なものと考えて失望が大きかった」と十分なケアがなかったと不満を漏らしたとされる。 その上で「これ以上代表チームを継続するのは難しいのではないかと考える」と代表引退をほのめかすなどしたことで、韓国国内でも爆弾発言として、大きく注目を集めている。 同メディアによれば、同協会の運営に関しては過去にも「選手がエコノミークラスで移動なのに、幹部はビジネスで移動」「派遣した選手より、幹部のほうが人数多い」「肝心の試合を見ずに帰った」など悪評が取りざたされたこともあり、今回のアン・セヨンの告発により、過去の報道も一気に拡散され、ついには政府が調査に乗り出す事態にも至ったとされる。 韓国メディア「スポーツソウル」によれば、アン・セヨンの告発を政府も把握、担当の文化体育観光部がパリ五輪が終わり次第、調査に乗り出し、結果に基づき協会に対し、適切な改善措置を取ると発表があったと報じている。 決意を持った告発は代表入りした2018年から準備していたことも明かしたアン・セヨン。インタビューの中では「夢をかなえるまでの原動力は怒りだった」と協会の体質を徹底的に批判した。 「韓国バドミントンはもっと発展することができると思うが、今回金メダルが1個しか出てこない理由について反省すべき時点が来ているようだ」と厳しい目を向けたとされる。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]