【大人旅なら今注目の富山へ】見た目も美しい老舗の和菓子を旅行土産に
富山には、知る人ぞ知る銘菓が揃う。老舗の鉄板から小粋なプチ菓子まで、新幹線で帰路につく直前にJR富山駅で購入できる、センスが薫る手土産をお届けする 【写真】センスが薫る富山の手土産4選
《BUY》「志乃原」 瑞々しいビジューのような琥珀糖
天保3(1832)年にまで創業を遡り、前田利家の長男である前田利長(高岡城主)の海洋藩士として、広く海産物問屋を営んでいた旗本寺井家を祖にもつ「志乃原」。3代目の創案となる代表銘菓「江出の月」を礎に、現7代目まで真摯に和菓子と向き合ってきた老舗として知られる。 ネオンカラーを効かせた現代的なパッケージに惹かれて手にしたのが紹介の琥珀糖「moco妹子~こはく~」である。商品のインスピレーションは、万葉の時代へとワープする。意中の女性を「我妹子(わがもこ)」と呼び、甘く切ない和歌を詠み交わしていた歴史の浪漫を、異国のときめきを誘うようなマンゴー風味と、甘酸っぱい胸の内を代弁するような3種類のベリーで表現。 擦りガラスのような黄色とピンクの美しい色彩が正方形のボックスの中で、甘やかな市松紋様を描く。ほのかなフルーツフレーバーは白ワインのパートナーとしても楽しめそうだ。
「moco妹子~こはく~」¥712(税込) 志乃原 住所:富山県高岡市城東1-9-28 電話:0766-22-1020
《BUY》「大野屋」 典雅なパッケージに心躍る高岡ラムネ
天保9(1838)年、高岡で創業した老舗菓子店「大野屋」。長きにわたる歴史の中で使い込まれてきた約1000種類以上に及ぶ和菓子用の木型を、何かに生かしたいと発案されたのが「高岡ラムネ」である。 精緻な造形や大胆な図案の面白さを、日頃は和菓子に馴染みのない若い人にも楽しんでもらいたいという思いが込められているそうだ。富山県産コシヒカリをベースに、国産生姜や地元産の果物で風味を彩った上品な味わいは、駄菓子のラムネとは一線を画す。 高岡文化の象徴である「御車山」は、高岡・国吉りんごを使用。「貝尽くし」は国産柚子味、「宝尽くし」は国産しょうが味など。職人の手仕事が一粒一粒にいきとどいた伝統文様のラムネは、遊び心を誘う大人のプチギフトとしてレコメンドしたい。
左から「御車山」「花尽くし」「貝尽くし」各¥540(税込) 住所:富山県高岡市木舟町12 電話:0766-25-0215 TEXT BY TAKAKO KABASAWA 樺澤貴子(かばさわ・たかこ) クリエイティブディレクター。女性誌や書籍の執筆・編集を中心に、企業のコンセプトワークや、日本の手仕事を礎とした商品企画なども手掛ける。5年前にミラノの朝市で見つけた白シャツを今も愛用(写真)。旅先で美しいデザインや、美味しいモノを発見することに情熱を注ぐ。