【ラグビー】「選抜」しない東京都立高校選抜。7月21日の深谷戦を目指して笑顔のセッション
「中学までの経験がない人でも大丈夫だよと誘っても、ラグビーは怖い、と言われてしまう。それでも、部の雰囲気は大事です」(長田さん)。何をやるか、と同じくらいに、どんな仲間と、どんなチームになりたいのかが大切、と実感している。 会場、指導で全面サポートを担うリコーブラックラムズからは、4人の有志が指導にあたった。岡崎匡秀氏(アシスタントコーチ)、小浜和己氏(採用、アカデミーコーチ)、藤野健太氏(S&Cコーチ)、陣内寿知氏(AT)。普段はトップチームやアカデミーを指導するスタッフは、選手たちの意欲的な姿勢に応え、2時間のセッションに臨む表情も真剣そのものだった。 「楽しい! という声や、彼らの表情が最高でした」と小浜コーチ。 「今日のセッションは、みんなのモチベーションの高さに助けられました。リコーとしては、ラグビーを通じて世田谷、東京の地域の役に立ちたいという一心で取り組んでいる。コーチングは7月21日の試合当日まで続けていくつもりです」(小浜コーチ)
集まった選手たちの体や顔つきには、部員数に関係なく、彼らの過ごしてきた日々の積み重ねが伺えた。たとえメンバーが15人に満たない部でも、それぞれに大切なラグビーの日常がある。 今年、関東大学対抗戦春季大会の会場には、都立選抜OBの姿、長谷川永和(とわ)選手の姿があった。6月2日、Bチーム同士の試合にNO8として出場。狛江高校を卒業し、一般受験で理工学部に入学、体育会ラグビー部で活躍している。関係者にとって、そして何より、現役の小さなチームの高校生にとって、うれしいニュースだった。今は細くくねった径も、大きな未来につながっている。