「コロッケ」がものまね四天王時代にもカン違いしなかった理由 芸能生活45周年を支えた母親直伝の「5文字の言葉」
ものまねジャンルの底上げ
〈人に対しての「負けるな」だと思えば、ライバルである人が時に憎たらしく思えてしまう。「あいつさえ、いなければ」なんて思ってしまうこともある。そんな考え方は寂しい。この世界は周り全員ライバルだ。だとしたら、この世界にいればいるほど寂しくなっていくばかりじゃないか〉(同) 今、コロッケは「ものまね」というジャンルの底上げに真剣に取り組んでいる。ものまね芸人を目指す若手のために、皆が出られる場所を作ろうと考えているという。 「2025年は”ものフェス”をやろうと思っているんです。ものまね芸人ばかりで本物が一人も出てこない。全員、偽者という(笑)。デビュー45周年記念コンサートは2月5日から始まりますが、合間にそうしたイベントを盛り込んで、若手に場を提供してあげたいと思っています」。 また、ものまね番組の構成についても、独自の考えを提案している。 「本格的に歌のうまいコピー派と、デフォルメして笑わせるパロディ派。ジャンルを分けた大会を開催するのはどうかと思っています。今は両方が一緒になっていますが、物凄く歌が上手いのだけど、相手がパロディでかなり笑いを取ったことから採点が不利になるなんてことがありますよね。だから、それぞれでトーナメントを開催し、最後にコピー派とパロディ派で決戦をする。セ・パ両リーグでペナントを戦い、日本シリーズを開催するようなイメージです」 一人でも多くの芸人が番組に出て、チャンスをつかんでもらえたら――コロッケの挑戦はまだまだ続く。
ボランティアにも取り組んで
また、コロッケは23年から子ども食堂を支援する活動も続けており、「子ども食堂支援チャリティーものまねショー」も開催している。歌手の小林幸子が手がけている 過疎対策と農業支援を目的とした「幸せプロジェクト」の一環として行っているものだ。 「コロナ禍の時に、ご飯を食べられない子供を支援している知人がいたんです。それで、コロッケ弁当に僕の面白い顔をしている写真をつけて、そうした家庭に配っていたんです。そのうち知人も仕事が忙しくなって、どうしようかなと思っていたのですが、離婚してシングルで子育てをしている母子をショーに招待したり、母子生活支援施設や子ども食堂を応援したりしていこうと、この活動を始めました」 こうした活動を支えるのは、コロッケの幼少時の体験があるのは言うまでもない。未来を担う子どものことを想う素敵な大人たちが増えることを望んで、こうした活動にも取り組んでいくという。 「デビュー45周年コンサートでは、50人のものまねを披露します。45周年なのに50人というのは、次の50周年に向けてという意味です。アップグレードは毎日続けていますので、どんどん新しいコロッケをお見せしますよ」 常に全開。衰えを知らないコロッケの新しい世界に、要注目だ。 (文中敬称略) 【第1回は「ものまね一筋45周年! デビュー当時の『コロッケ』が和田アキ子と中尾ミエから受けた“愛あるダメ出し”の言葉とは」同期デビューのとんねるずとの友情、芸能界やテレビの世界で少しでも長く活動するためにはどうするのかを教えてくれた先輩たち】 コロッケ 1960(昭和35)年、熊本県生まれ。80年、日本テレビ系「お笑いスター誕生!!」に出演し、銅賞・銀賞を獲得して芸能界デビュー。ものまねのレパートリーは男女を問わず300を超える。ロボットバージョンやヒップホップダンスとの融合など、エンターテイナーとして常に新境地を開拓し続けている。2014年文化庁長官表彰を受賞。2016年2月には日本芸能大賞を受賞した。芸能活動の傍ら、東日本大震災の被災地支援活動を精力的に行っている。 デイリー新潮編集部
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