試合は前後半で得点を重ねた東山が勝利 京都共栄は決勝進出を逃す
令和5年度京都新人戦(新人選手権大会)の準決勝が2月3日に山城総合運動公園陸上競技場で行われた。第2試合は北部勢として府内2強に迫る躍進を見せる京都共栄と、2022年度の全国高校サッカー選手権で全国準優勝を果たした東山が激突した。試合は35分ハーフで行われている。 【フォトギャラリー】京都共栄 vs 東山 両チームとも球際の強度や攻守の切り替えといった部分を特徴としており、システムも同じでマッチアップしやすい戦い。攻撃も縦へスピード感を持った仕掛けを繰り出すなど、互いの特徴が出た中でどちらが試合を優位に進めるかが注目された。 前半は東山の攻撃に対して、京都共栄が耐えてはいるものの、いい形で攻撃へつなげることができずにいた。2トップのうち1人が低い位置まで下がって攻守に関わろうとするなど狙いは見せたが、シュートが前半は0本だった。 対する東山はFW山下ハル(2年)らが前線で起点となり、全体が素早く押し上げることでこぼれ球も制していこうとする。前半はシュート3本と多くはないが、最後のシュートが先制点につながった。31分、MF雪本迅之助(1年)の蹴ったCKにニアサイドでマークを外したMF沖村大也がヘッドであわせると、シュートが相手選手に当たってネットを揺らす。オウンゴールにより東山の1点リードで前半を折り返した。 東山は後半の早いタイミングで追加点を奪う。45分、敵陣左サイドでボールを持ったMF小西凌介(2年)がライン際を駆け上がっていく味方のランニングを見てパスを出すと、受けた山下がゴールライン付近までえぐって中央へ折り返す。相手GKが防ぎきれなかったボールを逆サイドから入ってきたFW吉田航太朗(2年)が押し込んで、リードを広げた。 その後も試合の流れは東山が握ったまま、時間が経過していく。決勝戦が翌日に控えていることもあり、ベンチは交代選手を次々と投入。残り15分のところでDF津崎翔也(2年)が負傷交代するアクシデントもあったが、それも含めた交代選手たちがきちんとゲームの流れに入ったことで、試合展開を渡さない。 一方、2点を追いかける京都共栄は50分に一気に3選手を投入。攻撃の枚数を増やして、流れを変えようとする。前半よりはゴールに迫る回数が増え、52分に右サイドを突いたMF稲継力斗(1年)のクロスからファーストシュートが生まれる。57分にはセットプレーの2次攻撃からのクロスで好機を迎え、後半アディショナルタイムには右サイドからのクロスに交代出場のFW池永リッキーけんぞう(2年)が飛び込んでヘッドであわせたが、相手DFに空中戦で身体を寄せられた状態で放ったシュートは枠をとらえなかった。 試合は前後半で得点を重ねた東山が勝利。福重良一監督は「勢いのあるチームに対して、失点ゼロで勝てたのは良かった。新チーム発足からここまで、なるべくベストメンバーを組まずにいろんな選手で戦っています。その中では、ここまで悪くない」と振り返った。昨年から試合に出ている選手が新チームに多く残っており、彼らが軸となりつつ、新たに台頭する選手の発掘にも余念がない。「ベースとなる部分を当たり前にこなせる選手が15人、16人と出てこないといけない」と話している。堅守を発揮しつつ、2点目のような崩し方を増やすこと、その質を上げること。「時間はかかるかもしれないが」目指すべき方向性は定まっている。