スバルらしさの要因はAWDの「あの部品」にあった! ハイブリッドでも「スバルの味」守られたワケ
近年のクルマは、プロペラシャフトは不要なFF(フロントエンジン・前輪駆動)車が多く、4輪駆動を設定する場合でも、プロペラシャフトで後輪へ駆動力を伝えるのではなく、後輪を独立したモーターで駆動させる手法が、SUVやミニバンで主流になってきている。 そうした中、4輪駆動の乗用車市場を独自に開拓してきたスバルは、今後もプロペラシャフトを持った電動車をグローバルで投入し続けるという。 「水平対向エンジン+シンメトリカルAWD」というスバル車ならではのレイアウトにおいて、プロペラシャフトは“スバルらしさの象徴”ともいえるからだ。
■プロペラシャフトがないスバル車も増える エンジニアと意見交換したが、プロペラシャフトに直接的、または間接的に影響する動的質感を追求するためには、データによる個別部品の適合性や部品の集合体として走行できるカタチとなった段階でも、データに頼るのではなく「人のフィーリングを重視する」開発姿勢を貫いていることがよくわかった。 ただし、これからのスバルは「プロペラシャフトがない」モデルが増えることも、情勢として確実である。
スバル常務執行役員の綿引洋氏によれば、トヨタとの共同開発するBEV(電気自動車)は、2026年末時点で既発の「ソルテラ」を含めて合計4車種になるという。 ソルテラを除く3車について、ひとつはスバルの矢島工場でガソリン車などと混流生産するSUV。これは、トヨタにも供給される。ふたつめは、反対にトヨタのアメリカ工場製SUVが、スバルに供給される形だ。 そして、3車目はスバル自社開発のBEVで、BEV専用ラインで生産するべく準備を進めていると説明された。そうした中で、「プロペラシャフトがないこと」に対するエンジニアの意識変革が、必須となっている。
トヨタ「bZ4X」の姉妹車となるソルテラの開発で、スバルのエンジニアは「スバルらしい走り味・乗り味とは何か」という大きな課題にぶち当たった。 BEVも、低重心である点では、「水平対向+シンメトリカルAWD」と物理現象として近いものがあるかもしれないが、「プロペラシャフトがないこと」が大きな課題だったのだ。 ■スズキに「これからのジムニー」を聞くと 同じような電動化に対する悩みを、他のメーカー関係者からも最近、聞いた。それは「ジムニー」についてだ。