<島から挑む・’22センバツ大島>第2部 選手紹介/2 美島永宝一塁手/有馬航大二塁手 /鹿児島
◇ムード変える一打 美島永宝一塁手=2年 昨秋の九州地区高校野球大会決勝は九国大付(福岡)と対戦。11点差を追って迎えた九回裏、大島応援団を覆う沈痛なムードを一打で変えた。カーンと乾いた音とともに打球はスタンドへ。3点本塁打を決め、観客席を沸かせた。 「体が自然に反応した。一塁に走りながら『入ってくれ』と願っていた」。試合には敗れたが、大島の粘り強さを印象付けた。 鹿児島大会を控えた昨年6月、右足首を強く捻挫。医師から全治3カ月と告げられ青ざめた。落ち込んだが、野球部OBでけがに泣いた経験のある父の励ましで治療に専念してベンチ入り。終盤の好機で力を発揮した。 甲子園では「どんな強豪と当たっても楽しんで、勝つ」 ◇前に出る守備に自信 有馬航大二塁手=1年 雨の中を戦った九州大会の大分舞鶴(大分)との初戦。延長十回で引き分け再試合となったが、チームで見せた粘りが印象に残っている。 積極的に前へ出る守備が持ち味だ。準決勝の有田工(佐賀)戦は、相手の三遊間への打球を深い位置で捕球して強く送球。確実にアウトにできたことが自信につながった。 実戦経験を積むなかで「試合の流れが勝負を決める」と実感。打順は1、2番を任されることが多く、出塁することが役割だと自覚している。「甘い球は初球から振っていく」と意気込む。 甲子園出場に「島の人たちが応援してくれるのがうれしい。楽しんでもらえるような試合をしたい」