【からつボート・ファン感謝3DaysBBT】茅原悠紀が大会初制覇/1号艇の吉川元浩は無念の勇み足
からつボートの3日間開催「ファン感謝3Daysボートレースバトルトーナメント」は14日、最終日の12Rでファイナルが行われた。1号艇の吉川元浩がまさかのフライングに散る大波乱。3号艇の茅原悠紀(37)=岡山=が恵まれで勝利し、大会初制覇を飾った。8月の児島以来、今年4V。2着は2号艇の渋谷明憲、3着は5号艇の平高奈菜が入った。3連単は5150円で30番人気の決着。3日間の総売上額は24億2847万3400円だった。 ■ヒーロー 何よりもファンを大切にする思いが身を助けた。1号艇の吉川元浩が勇み足に散る波乱の中で、茅原悠紀が放ったSはコンマ03。1Mをシャープにまくり差すと、追いすがる渋谷明憲を振り切ってVゴールを駆け抜けた。事故レースだったこともあり「笑えないですね、本当に」と控えめながらも、今年4Vを静かにかみしめた。 「少ないけど濃い。エスプレッソ的な感じですね」。普段は経験しない3日間をそう振り返った。「いつもは3日目くらいで仕事が落ち着くけど、3日間でやり切らないといけない。しんどかったです」。濃縮された一節間に疲労の色は隠せなかった。 さらに自身はF2の身。「尋常じゃない緊張感です」とSにもギリギリまで神経をすり減らした。それでも「F持ちでも内枠だと特にお客さまが買ってくれる。F2だからといって(Sが)遅れていたら(ファンが)予想できないじゃないですか」。常にファンの期待を裏切らない気持ちを第一に乗り切った。 22日からはSGダービー(戸田)。賞金ランキングも3位(14日午後7時時点)につけ、グランプリも控える。「お客さんのお金を無駄にしないよう、できることを最大限やって、年末に臨みます」。誰よりもファンを大事にする男が、さらなる責任感を持って年末へ向けて加速する。
◆茅原悠紀(かやはら・ゆうき)1987年7月11日生まれの37歳。東岡山工高中退。岡山支部所属。2006年11月、児島デビューの99期。デビュー節の6走目に初勝利を達成。07年8月の浜名湖で初優出。09年の宮島で初優勝。12年の徳山新鋭王座でGⅠ初優勝。14年の平和島グランプリでSG初優勝。今年7月の大村オーシャンカップで約10年ぶりにSGタイトルを手にした。通算58V(GⅠ10V、SG2V)。同期には坂元浩仁、下出卓矢、水摩敦らがいる。171センチ、56キロ、A型。