「最盛期のメンバーは1万人」「中国人は青龍刀を持ち出してくるので」…《伝説的半グレグループ》「ルシファーズ」元リーダーが明かした「国やヤクザとの戦い」
「僕らは国を敵にした」
こうして武力と圧倒的なメンバー数で名古屋での勢力を伸ばしていった小田切容疑者だったが、ある出来事をきっかけに国策ともとれる愛知県警の壊滅作戦が始まったという。 「当時も変わらず高島屋下の広場での集会も毎月2回は行っていたんですが、あまりに人が集まるので規模自体は縮小するように気をつけていました。それでも1000人ほどが顔を出す集まりにはなっていて、ちょうど万博を控えていた国からすると僕らが目障りだった。 警察に対しても署に乗り込んだり好戦的だったので、それも要因にあったと思います。気が付くと主要メンバーが次々と微罪でパクられるようになっていきました」 小田切容疑者も例外ではなく、万博開催の前年となる04年にコンビニ店員に対して「殴ったろうか」と怒鳴ったり、店内や出入り口付近に居座らせたなどの威力業務妨害の容疑で逮捕。当時の報道では、小田切容疑者は「仲間を呼んだ覚えはない」と容疑を一部否認していた。 「事件は店員の態度が悪かったので肩を掴んで『おい』と言ったものなんですが、これで求刑が2年半でした。その時には新聞社の記者の人が面会に来て、『小田切さんの逮捕劇は明らかな不当逮捕なので戦いましょう』と説得もされましたが、僕自身、叩けばホコリが出る立場なので丁重にお断りしました。それでも微罪での重刑だったと思います。結局、僕らは国を敵に回したんです」
逮捕直前に語っていたこと
幹部クラスの相次ぐ逮捕でチームは弱体化。小田切容疑者不在の組織は解体の一途を辿っていったという。 「僕がいなくなってからは、チームもヤクザに守ってもらうために上納金を払う習わしになっていた。それで実際に名古屋に戻った際に『これ、いつまで払ったらいいですか』と確認すると『解散するならいいよ』との返答だったので、チームの解散を決めました」 かくして名古屋を席捲した半グレグループは、国家という巨大な相手を前に幕を閉じたのである。 小田切容疑者はインタビューの後半で現在の生活についてこう口にしていた。 「今は会社を起こして板金の仕事をしています。運がいいことに良くしてくれる仲間がいるので、そこから声がかかって現場仕事をする日々です。今はいがみ合ってる若い連中同士を仲良くさせて平和にするのが、自分の役目だと思ってます。 若いチームの抗争でこれ以上、死人を出したくない。その若者たちもいずれは家庭を持って子供ができるかもしれない。僕自身も子供ができて変われましたから」 この言葉を残し、傷害の容疑で逮捕された小田切容疑者。関係者によると逮捕された元日の件について「一方的に因縁をつけられた」と語っていたという。更生したはずの伝説的半グレに、一体何があったのだろうか。 ・・・・・ 【さらに読む】「ビール瓶で殴り、青龍刀を振り回すことも…」池袋で中国系半グレ、マフィアが大暴れする異常事態
週刊現代(講談社)