岩石ゴロゴロ! 神話の舞台、高千穂峰で開運登山
登山開始から約2時間。標高1574mの高千穂峰に登頂。神話によれば、この峰は、天照大御神(アマテラスオオミカミ)の命を受けた孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、天皇の位をしめす「三種の神器」を持って天からおりたった地とされている。その瓊瓊杵尊をまつる社として建てられたのが霧島神宮の始まり。高千穂峰の山頂からの眺望は素晴らしく、韓国岳や新燃岳など霧島山の絶景を一望する。
山頂にある刺さっている槍は、坂本龍馬が引っこ抜いたという伝説がある「天逆鉾(あまのさかほこ)」。もちろん登山者は山頂の結界より中に入って、槍に触れることはできない。拝んだり、写真に収めることだけ可能だ。山頂の眺望を満喫しておにぎりを食べ、来た道を下山することに。
登山口あたりまで下りた雑木林で鹿の親子に出合った。2頭がすぐ近くで、こちらを警戒してじっと見つめている。まるでどちらが先に動くか、根くらべをしているみたいだった。 日本アルプスのように3000m級の山々が連続する山脈とは異なり、新旧大小の火山が集まる変化に富んだ雄大な景色。霧島山の各火山の植生は、噴火の影響を最後に受けてから経過した時間がそれぞれ異なるため、さまざまな植生遷移の段階を見せてくれる。次回はぜひ、坂本龍馬や植物学者の牧野富太郎を魅了したヤマツツジ「ミヤマキリシマ」が咲く初夏に訪れたい。 photo&text:鈴木博美