レンジ内の汚れが発火、アルミホイル温め溶解…急増する電子レンジ火災への対処法
【事例3】軽傷事故 2022年12月、使用中の電子レンジから発火し周辺を焼損して2名が軽傷。 「冷凍唐揚げを加熱しすぎて、レンジの扉を開けた途端、庫内に酸素が入って、その勢いで炎が大きくなったと思われます」 万が一、庫内で発火したことがわかった場合は「あわてて扉を開けないでください」と安元さん。 「レンジの電源をオフにし、プラグを抜いて、これ以上加熱されない状態にします。密閉状態なら余計な空気が入りませんので、自然に火が治まるのを待ちましょう」 【事例4】拡大被害 2021年11月、レンジを使用中にレンジと周辺を焼損する火災発生。庫内に付着していた蓄積汚れ(食品カスや油など)にマイクロ波が当たり、汚れが加熱したのが原因。 「庫内の塗装がはがれて腐食が進んでおり、そこから発火して電子レンジ周囲の家電にも火花が引火したと考えられています」 電子レンジの周囲にキッチンペーパーやタオルなど可燃性のものを置いておくと、燃え移りやすい。 「取説にも書かれていることが多いですが、庫内の油や食品カスは、こまめに清掃しましょう」 ■おでんを加熱。入っていたゆで卵が破裂、器を破壊 【事例5】製品破損 2018年11月、レンジ使用中に調理物が破裂、庫内の底面が割れた。 「取説では禁止している、ゆで卵を含むおでんの加熱で、ゆで卵が破裂して、おでんの陶器が破裂。勢いでガラスプレート(=ターンテーブル)も割れた事故です。 膜で覆われている食品は、その内部が加熱された場合、水蒸気の逃げ場がなくなり、圧力が上昇して破裂してしまいます」 おでんの卵のほか、うずらも料理に紛れて見落とされがちだ。 同じく食品が膜で覆われているウインナー、明太子、イカなどは、切り込みを入れて加熱すべきだ。 また、いも類は「レンジ使用はできる」が、水分の少ないさつまいも、にんじんなどの根菜を長時間加熱すると、焦げて炭化してしまうため、「長時間の加熱はリスクが大きい」そうだ。 【事例6】製品破損 2020年1月、使用中にレンジが溶融(へこむなど変形)する事故。 「付属の金属製の角皿にアルミホイルを敷き、鶏肉を置き、オーブンモードで加熱のつもりが、誤ってレンジ加熱してしまったんです」 金属の角皿やアルミホイルは電磁波を過剰に集めてしまう。そこから電磁波が反射して庫内の汚れなどに集中して照射され、炭化してしまったのだという。 「レンジでは金属の角皿やアルミホイルは使用禁止です。また、使用前にレンジモードかオーブンモードかの確認を必ずしてください」 レンチンの注意点は以下の3つ。 【1】使用前に取説を確認 【2】あたための際、具材の様子を見ながら加熱 【3】使用後、こまめに掃除 「最近はSNSで時短の裏技も出回っているようですが、取説や注意事項を読むなど、安全のための手間は省かないようにしましょう」 レンチンも「急がば回れ」で!
「女性自身」2024年11月12日・11月19日合併号