360度くるくる回せる「焼き鳥器」が人気 開発のきっかけは、行きつけ店の閉店
約3年かけてついに発売
開発期間は約3年で、同社の他商品と比較して長い時間を要した。どのような苦労があったのだろうか。 同社にとって、ヤキトリルは初めての家電商品だった。ということもあって、まずは家電について調査するところから始めた。現在の形になるまで、ヒーター管の選定から火力調整まで、トライアンドエラーにかなりの時間をかけたという。 こだわったポイントは、焼き時間を極力短縮すること。また、片付けのしやすさを意識したり、よりおいしく食べられるために独自のスパイスまで開発したり。やりたいことを妥協せずに全て盛り込んだ。 焼き鳥は1本焼くのに20~30分かかると、複数人で使う場合には待ち時間が長くなってしまう。一度に12本焼ける横長タイプも検討したが、スペースの関係で却下した。 最終的に、スーパーでも購入できるような一般的な焼き鳥サイズなら1本10分以内で1度に6本焼けるところまで完成。火力は10段階あるが、基本的に焼き鳥は最大火力で焼き、パンなど焼けやすいものを入れるときは弱めるなど調節が必要だ。 気楽に使ってもらえるよう、片付けのしやすさにもこだわった。油受けのトレーを着脱式とし、使用後はすぐに洗えるようにした。「モニター調査でも、手軽に片付けられると高評価だった」 オリジナルの「ヤキトリルスパイス」は、何十種類ものスパイスをグラム単位で調合しながら「鶏肉に特化した」ものを独自開発した。
体験ができる場も検討
Makuakeで好調な結果を残したヤキトリル。今後は一般販売を予定しているが、展示会への出店や、スーパーなどで試食販売の機会も検討しているという。 「無人でヤキトリルだけ置いて、モニターに手順を掲載する。ふらっと来た人が串焼きを体験できるような場をつくりたい。実際に使ってもらって、楽しさを体験してもらいたい」といった狙いがあるようだ。 コンセントにさせばすぐに使えて、片付けも含めて手軽にできるヤキトリル。10段階の火力を調整しながらどんなものが焼けるのか。反響次第で、串パ文化が広まるかもしれない。 (熊谷ショウコ)
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