トランプを選んだ米国民の声「最も大事な3つは家族の価値と生命尊重、宗教」
トランプ前米大統領は、共和党候補として出馬した今回の大統領選で有権者の態度を再び一変させた。ヒスパニック(中南米系)や若者、非大卒者の支持を上積みしてほぼ全ての地域で得票数を前回2020年の選挙よりも伸ばし、返り咲きを果たした。 トランプ氏は選挙戦を通じて、米国の労働者を国際的な経済競争から守ると約束するとともにさまざまな減税を提案。労働者層や非白人の得票をおおむね増やしている。 エジソンリサーチの出口調査によると、特にヒスパニックの有権者に占めるトランプ氏の得票率が14ポイントも増加したのが目立つ。トランプ氏を選んだと答えたヒスパニックを自認する有権者の割合は約46%で、20年の前回大統領選では32%だった。 過去数十年にわたってヒスパニックはおおむね民主党を好んできたが、今回のトランプ氏の得票比率は出口調査ベースの共和党候補としては1970年代以降で最も高いことが、保守系シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ・インスティテュートの分析で分かった。これは直近で最高だった2004年のジョージ・W・ブッシュ氏の44%をしのぐ数字だ。 有権者の2割余りをヒスパニックが占める郡でトランプ氏と民主党候補のカマラ・ハリス副大統領の得票率の差を見ると、トランプ氏とバイデン大統領の前回大統領選での差に比べて13ポイント改善している。 共和党のメディアストラテジストで、前回大統領選でトランプ陣営の一員としてヒスパニックに対する選挙活動を担当したジャンカルロ・ソポ氏は「若い世代のヒスパニックには、50年も民主党に投票してきた祖父母たちのような体に刻み込まれた記憶はない」と解説する。 今回の大統領選でヒスパニックのトランプ氏の得票率は男性が55%、女性が38%で、前回大統領選からそれぞれ19ポイント、8ポイント上昇した。 トランプ氏は反移民を自身の政治活動の中核に据えており、大統領に就任すれば不法移民の大量強制送還を行うと公約した。エジソンリサーチの出口調査からは、多くのヒスパニックがこの強硬姿勢を支持していることが読み取れる。この調査で、ほとんどの不法移民は本国に送還すべきと回答した有権者は全体の40%だったが、ヒスパニックに限っても約25%がそうした意見を述べた。