顔と目と舌の写真だけで「体の年齢」と「老化度」を判定、病気のリスクまでわかるAIを開発
老化時計の未来
現在、張氏のチームは、AgeDiffを使って慢性疾患を発症するリスクが高い人を特定し、個別に予防策を指導している。氏らは、血圧や血糖値など、AgeDiffと密接に関連する健康指標をターゲットにすることで、加齢に関連する疾患の発症を計画的かつ効果的に遅らせることができるのではないかと期待している。 また、DNAメチル化などの要素を組み込んだり、他民族を研究に参加させたりすることで、老化時計の改良にも取り組んでいる。 スナイダー氏は、張氏が開発したようなツールは、一般の人が使えるようになれば、病気を予防するための費用や手間を減らす可能性があると言う。張氏のグループは、この目的のために、老化時計に必要な写真を撮影できるiPhone用の付属機器と関連アプリを開発中で、2024年内には実用的な試作品を完成させたいと考えている。 スナイダー氏は、個人別に最適化された医療がどのようにして慢性疾患の発症リスクを低下させるかを研究しているが、張氏の単純で手軽なツールを気に入っている。「なにしろ、従来のように採血や各種検査をしなくても、誰でも簡単にリスクを調べられるのですから」
文=CONNIE CHANG/訳=三枝小夜子