【バスケ日本代表】ホーキンソンも絶賛!18歳ビッグマン川島悠翔が見せたパリ五輪メンバー入りの可能性
手薄なインサイドに厚みをもたらせるか
昨年のワールドカップでチーム史上最多の3勝を挙げ、48年ぶりとなる自力でのオリンピック出場を決めた男子日本代表。今アジアカップ予選では主要大会では88年ぶりに中国から勝利を挙げ、今夏に行われるパリオリンピックについてはホーバスHCが「ベスト8以上」と目標を立てるなど、世界との差を急速に縮めていっている。 勢いに乗るアカツキジャパンだが、パリ五輪で8強以上を目指すためにはまだまだ課題は山積している。 まず一つは3ポイントシュートの成功率だ。今回のアジアカップ予選では、グアム戦で26.7%(12/45)、中国戦で34.4%(11/32)としており、ホーバスHCが目指す「40%近く」の成功率には届いていない状況だ。ただ、中国戦に関しては積極的なペイントアタックからフリースローを27本獲得できており、指揮官も「(オフェンスの)バランスはよかった」と評価している。昨夏のワールドカップでは3Pショットの成功率が上がらない試合で苦戦していただけに、そういった展開の中でも活路を見いだせたことは収穫だったといえるだろう。 もう一つの課題はビッグマンの層の薄さだ。中国戦では接戦を制したものの、リバウンドにおいては44対33と差をつけられ、オフェンスリバウンドも15本許している。ペイント内での得点も日本の22得点に対して中国には36得点を許しており、サイズのある中国にインサイドでアドバンテージを握られていた。世界のトップ12か国が集うオリンピックでは中国のようにサイズのあるチームが多くあり、パリ五輪で勝利を目指す日本にとっては避けては通れない課題となるだろう。 ホーバスHCも今後の日本の課題としては「4番(パワーフォワード)のディフェンス」の強化を挙げている。中国戦では先発で出場したパワーフォワードの吉井裕鷹が約19分間で5ファウルを記録し、退場を余儀なくされた。ホーキンソンの獅子奮迅の活躍もあり最後は逃げ切ったものの、パリ五輪ではワールドカップのドイツ戦のようにホーキンソンがファウルトラブルに陥る可能性は大いにある。渡邊雄太、八村塁らNBA組がチームに加わればインサイドにも厚みが加わるが、それでもその他のビッグマン勢の成長がチームの底上げになることは間違いない。 アジアカップでのビッグマンの活躍についてホーキンソンはこう話す。 「ウチのビッグマンたちは今回の合宿でもハードにプレーしていたし、いいプレーをしていたと思う。今回のアジアカップで経験も得られたしね。特にジョシュ・ハレルソンが今回の合宿でいて、彼とマッチアップできたことで、僕だけじゃなくて川島や川真田、(渡邉)飛勇にとってもいい経験になったと思う。素晴らしい選手を相手に2週間練習できたということがね」 ビッグマン勢のステップアップが課題となっているチームにおいて、指揮官が「本当に使いたかった」と期待を寄せられている川島。ワールドカップ後の半年間で急成長を見せた200cmのパワーフォワードがさらなる飛躍を遂げれば、パリ五輪での代表入りも夢ではない。 グアム戦後のヒーローインタビューでは、「パリオリンピックのメンバーをしっかり狙っていく」と意気込んだ川島。開幕まで5カ月を切ったパリ五輪に向けて、大きな伸びしろを持つ18歳の若きビッグマンの成長に期待したい。
滝澤 俊之