年末回顧2024 知立市 三河知立駅が移設開業 駅周辺のインフラ整備進む
知立市では、知立駅周辺で「100年に一度」ともいわれるまちづくりが進む。その基盤となるのが、知立駅を中心とした名鉄の名古屋本線と三河線の「連続立体交差事業」と呼ぶプロジェクトだ。今年3月には三河知立駅が移設開業。ハード面が着実に整備されている。今後は官民連携による魅力あるまちづくりの検討と実現に向けた取り組みに注目が集まる。 知立市は、東西に名鉄名古屋本線、南北に名鉄三河線が走る。知立駅は両線の乗換駅で、近隣の刈谷や安城、高浜、碧南の各市や名古屋駅などへのアクセスで重要な役割を果たす。一方、主要な踏切で慢性的な渋滞が発生したり、市街地が分断されるなど、快適なまちづくりの阻害要因となっている。 その解消に向けて取り組むのが、連続立体交差事業だ。踏切が多く連続する区間について、鉄道を高架化し、踏切除去や新設道路との立体交差を通じ、渋滞解消と生活環境や都市機能向上を目指している。 同事業は愛知県が主体となり、2000~28年度まで実施する計画。昨年は名古屋本線の豊橋方面が高架化。今年3月16日には三河知立駅が移設開業した。来年度は、名古屋本線名古屋方面が高架に切り替わる予定で、事業は着実に前進している。
今後の焦点は、インフラ整備に合わせたまちづくりの検討と具体化だ。昨年、官民連携組織「知立駅周辺エリアプラットフォーム」が立ち上がった。知立駅周辺のにぎわい創出や魅力向上に向けた意見交換を重ねている。今後、知立駅周辺の将来像を明確化した未来ビジョンの策定、共有を進め、その実現に取り組む方針だ。 知立市商工会は22年、にぎわい創出に向けた知立駅前周辺の未来構想をまとめた。年間500万人の集客に向けて、バスターミナルと駅前広場の活用、高架下にホールやギャラリー、カフェ、オフィスなどの機能を設け、老若男女が集う交流拠点にすることなどを提案している。 愛知県商工会連合会会長を務める知立市商工会の新美文二会長は、「連続立体交差事業は、地域活性化に向けた千載一遇のチャンス。多くの方が訪れるよう、選ばれる街にする必要がある」と力を込める。 今月24日に就任した石川智子市長は、「知立駅周辺のまちづくりについて、市民の大きな期待を感じている。今後、民間の皆さまとも協議し、一番良いかたちにしていきたい」と話す。石川市長の調整力とリーダーシップに期待が高まる。(刈谷・山田悠)