中山社長が中山選手に記念品を贈呈! スーパーGTで一躍有名になった「ナカヤマ精密」の粋な取り組み
中山選手による世紀の逆転劇で「ナカヤマ精密コーナー」連呼!
スーパーGTの実質的な最終戦となる第5戦「SUZUKA GT 300KM RACE GRAND FINAL」が12月7~8日、鈴鹿サーキットで開催された。GT500クラス、GT300クラスで激しいバトルが展開され、それぞれポール・トウ・ウインにより36号車「au TOM’S GR Supra」の坪井翔選手/山下健太選手がGT500クラス、88号車「VENTENY Lamborghini GT3」の小暮卓史選手/元嶋佑弥選手がGT300クラスのチャンピオンに輝いた。 【写真】来シーズンの活躍にも注目! 39号車「DENSO KOBELCO SARD GR Supra」の走り(全16枚) タイトル決定戦ということもあって、決勝が行われた8日は数多くの注目を集めていたのだが、それに先立ち予選が行われた7日のピットウォーク時にはユニークな式典が開催された。ナカヤマ精密株式会社の中山愼一社長が、39号車「DENSO KOBELCO SARD GR Supra」のステアリングを握る中山雄一選手、そしてTGR TEAM SARDに記念品を贈呈したのだ。 ナカヤマ精密は大阪市に本社を置く耐摩耗精密工具類のメーカーで、テクニカルセンターおよび熊本工場など九州にも拠点を持つことから、創立55周年を迎えた2024年に合わせて、九州のレーシングコース、オートポリスとネーミングライツパートナーシップを締結。これにより、オートポリスの第1コーナーは「ナカヤマ精密コーナー」という名称となったのだが、10月19~20日に開催されたスーパーGT第7戦のオートポリスで、この「ナカヤマ精密コーナー」がクローズアップされることになったのである。 同大会では予選10位に低迷していた39号車「DENSO KOBELCO SARD GR Supra」が決勝で猛追を披露。第2スティントを担当した中山選手が首位に浮上し、逆転優勝を果たしたのだが、そのポジション争いの際に、レースアナウンサーのピエール北川氏がナカヤマ精密コーナーを連呼することになったのである。 ナカヤマ精密では、このうれしいトピックスに感謝して、トップ争いの末に逆転勝利を果たした中山選手とTGR TEAM SARDにグランドファイナルの舞台、鈴鹿で記念品として特別ボトルのスパークリングワインを贈呈した。 「もともとクルマやバイクに興味があったんですけど、オートポリスさんが繋いでくれまして、今年からネーミングライツにより第1コーナーが、ナカヤマ精密コーナーになりました。スーパーGTの九州大会で中山選手が素晴らしい走りをしてくれたおかげで、ピエール北川さんが、しきりにナカヤマ精密コーナーと連呼してくれました。非常にうれしかったので、中山選手とチームにお礼をしたいと思いました」とナカヤマ精密の中山社長。 さらに、逆転優勝の立役者、中山選手によれば「オートポリスは予選が10番手で厳しかったですけど、思い切った作戦でポジションを上げられました。残念ながら、ナカヤマ精密コーナーでオーバーテイクすることはできなかったんですけど、ナカヤマ精密さんが今年からオートポリスをサポートされるようになったし、結果を残したいと思っていました。自分と同じ名前の付いているコーナーで力を頂けたので優勝することができました」と笑顔で語る。 残念ながらグランドファイナルの鈴鹿ラウンドで39号車「DENSO KOBELCO SARD GR Supra」は10位に留まったが、「末長くオートポリスさんと一緒にレースシーンを盛り上げていってもらいたいですね」と中山選手が語れば、「今後のバトルに期待したい」とナカヤマ精密の中山社長も語っているだけに、これからもオートポリスのナカヤマ精密コーナーでは名勝負が展開されるに違いない。
廣本 泉