男性の孤独が「女性の燃え尽き症候群の一因になっている」理由とは?
近年、「男性の孤独」が世界中で話題になっているが、そのシワ寄せは女性にもきていると報じられている。 【画像】女性の燃え尽き症候群率は男性に比べて近年2倍以上に増加している。 過去30年間で、男性の社会的なネットワークは女性に比べて大幅に縮小した。この変化により、多くの男性が精神的なサポートを、身近な女性にますます依存するようになっているという。 スタンフォード大学の新しい研究は、孤独な男性が増えるにつれ、「男性の孤立の負担を軽減し、感情的なニーズを満たすために、女性が引き受ける目に見えない感情労働」の負担が増えていると指摘している。 同研究の著者であるアンジェリカ・フェラーラとディラン・ベルガラは、この負担を「マンキーピング」と名付け、それが女性のメンタルヘルスや時間を圧迫している可能性を示唆している。 マンキーピングは、婚姻・恋愛関係にある女性だけに当てはまるわけではなく、友人関係や同僚、きょうだいなどにも起こり得ると、彼女たちは述べている。
これに当てはまれば、あなたはマンキーピングをしている!
英紙「スタンダード」によれば、自分がマンキーピングをしているかどうかは、下記の質問を自問してみるとわかるという。 ・自分はパートナー(男性)が悩みを相談できる唯一の存在になっていないか。 ・よくパートナーに人と会うよう促したり、そのためにイベントを企画していないか。 ・自分は男友達や兄弟にとって「最も頼れる存在」になっていないか。 これらにひとつでも当てはまれば、男性の孤立に対する緩衝材として機能しており、「あなたはマンキーピングをしている」といえる。 また、もしその感情労働に徒労感をおぼえていたとすれば、それはマンキーピングが本質的に一方的、つまり男性のニーズを女性がカバーする構造で、男性が逆の役割をすることはほぼなく、見返りもないからだと説明している。 この不均衡により、女性はストレスを抱え、燃え尽き症候群に陥る可能性があると、フェラーラとベルガラは指摘する。 ギャラップの2023年の報告書によれば、女性の燃え尽き症候群率は男性に比べて近年2倍以上に増加している。 その主な原因は、無給で目に見えない労働、たとえば、家事や育児、介護をより多く引き受けていることだと専門家は述べており、無給の感情労働であるマンキーピングもその大きな要因のひとつだという。
COURRiER Japon