知ったら衝撃!?甘くておいしい【イチゴ】の“果実”ってどの部分?イチゴにまつわる疑問を栄養士が解説
イチゴの旬は冬?それとも春?
真っ赤な見た目と甘酸っぱさが魅力の「イチゴ」。春にイチゴ狩りを楽しむ人も多いのではないでしょうか。世界各国で人気のイチゴですが、日本は生食での消費量が世界有数。栽培品種も多く、新品種が続々と誕生しています。この記事では、そんな「イチゴ」についてクローズアップしたいと思います。 【みんな大好き】イチゴ1000人アンケート、結果を全部見る!(画像7枚) クリスマスが近づくとイチゴを見かけるようになることから、イチゴの旬は冬というイメージが定着しています。これはクリスマスケーキなどでイチゴの需要が高まり、ハウス栽培の普及や品種改良が進んだため。
実は、イチゴは初夏の季語。本来の露地栽培の旬は春から初夏で、春先に小さくて愛らしい白い花を咲かせます。ですので、ハウス栽培のイチゴの旬は冬から春、露地栽培のイチゴの旬は春から初夏となります。現在は流通しているイチゴの約9割がハウス栽培で、日本の栽培技術は世界トップクラスを誇ります。
『とちおとめ』(栃木)や『あまおう』(福岡)をはじめ、各地に多彩な品種があり、その数はなんと約300種類とも。現在も品種改良が進んでいて、生産量は少ないものの夏から秋に収穫期を迎える国産イチゴの品種も誕生。旬を長く楽しめるようになっています。
イチゴの甘酸っぱい果肉は、本当の果実じゃない?
実は、私たちがイチゴの実だと思って食べているジューシーで甘酸っぱい部分は、正しくは果実ではありません。花床(かしょう)と呼ばれる茎の先端が膨らんだ偽果(ぎか)です。イチゴの本当の果実は、表面の小さなツブツブ。痩果(そうか)と呼ばれる果肉のない果実で、イチゴ1個に200~300粒の痩果が集まり、その1粒1粒の中に種子が入っています。 なお、イチゴを切った断面をよく見ると白い筋が何本も伸びているのが分かります。この白い筋は維管束(いかんそく)と呼び、表面の痩果(ツブツブ)に栄養や水を運ぶための役割を果たしています。イチゴの実だと思って食べていた部分は、たくさんの小さな果実を育てるための大きなゆりかごのようなものだったのですね。 ※花床は花托(かたく)と表記されることもあります。本記事では食品学の文献と農林水産省の資料をもとに記載しました。