朝市仲間、涙の再会 「懐かしい」「また店を」 震災発生時刻、現地で偶然
●知人の導きのよう 輪島市で約40年にわたって「朝市仲間」として交流してきた女性2人が1日、朝市通りで4カ月半ぶりに再会を果たした。朝市で野菜や海藻を扱う露店を構えていた寺下美代子さん(81)=鵜入町=と和菓子店を営んでいた塚本民子さん(72)=河井町=。地震後、初めて顔を合わせた2人は手を取り合い、涙を浮かべて互いの無事を喜んだ。 地震発生からちょうど3カ月となった1日、寺下さんと塚本さんは、震災発生時刻の午後4時10分ごろに朝市通りを訪れた。2人には大規模火災後に消息が分からなくなっている共通の知人女性がおり、その自宅跡に足を運んだ際に再会した。 知人が導いたかのような偶然の出会いに、寺下さんは「懐かしいね。元気やったかいね。会えてうれしい」と大喜び。塚本さんは「まだ安否不明者もいる中で顔を見られて良かった。また朝市で店を出して頑張ろう」と声を掛けた。 この日、朝市通りでは焼け跡に向かって手を合わせる地元住民らの姿が見られた。寺下さんは、地震で亡くなった隣の店の女性が好きだったスイセンを供え、「長い間ありがとう」と涙をぬぐった。