荻原拓也「夢が叶った」CL初出場 バイエルン戦で初ゴールも「残酷なほどの差を感じた」
【FWケインは捕まえるのがかなり大変】 それでも体験しなければ掴めなかった手応え、経験しなければわからなかった学びがある。 「チームとしては、後半の数分間は流れを引き寄せられたように、エネルギッシュに戦って相手にプレッシャーをかけて、ボールホルダーに自由を与えない構図を作れれば、もっと戦えたのではないかという教訓を得られました。 個人としては、チームとしての勝利を大前提にしつつ、今回は1対1の状況でのプレーも意識していました。1対1でバトルできるシーンも意外とあったのですが、そこでは相手を引っかけてボールを奪えることもできたし、直接、ガバッと抜かれてやられるようなシーンはなかったので、守備での1対1では戦える自信も得られました」 バイエルンと対戦して、特に印象に残った選手はいるかと聞くと、「全員がヤバかったですよ」と答えつつ、目を輝かせて教えてくれた。 「特にケインはヤバかったですね。何でもできるストライカーというか。中盤に降りてきて攻撃の組み立てに参加するFWは、最終的にゴール前に入ってくることができない選手もいますけど、ケインの場合は起点になりつつ、ゴール前にも必ず顔を出していた。それでゴールもしっかり決めるので、マークするDFとしては捕まえるのがかなり大変ですよね」 2-9の大敗を受けて、ディナモ・ザグレブは、セルゲイ・ヤキロヴィッチ監督との契約解除を発表した。 「監督が交代したように、クラブの歴史においても、大きな敗戦を引き起こしてしまったという感覚はあります。そこは重く受け止めていますし、相手がバイエルンだったからのひと言では済ましたくはない。 ゴールを決めたことで称賛してくれる人もたくさんいましたけど、自分としてはやっぱり悔しい。その悔しさはボディーブローのように効いてきて、痛みとして、どんどんと心に重くのしかかっています」
【新監督のもとでどんな力が発揮できるか】 それでも、「この教訓を次に生かせるか?」と聞くと、荻原は即答した。 「間違いなく生かせると思います。1試合を経験しただけでも、個のところにおいては、一つひとつのバトルのレベルを上げなければいけないと思いましたし、最後のところで戻りきるなど、守備のベースアップも図らなければいけない。突き詰めていかなければならないところがたくさんありました。 チームとしても、個人としても、新しい監督のもとで、何ができるか、どんな力が発揮できるのかを見つめ直していきたいと思います」 リーグフェーズとなったCLは、第2節でASモナコ(10月2日/ホーム)、第3節でRBザルツブルク(10月23日/アウェー)との試合が続いていく。異なるリーグ、異なるスタイルのチームとの対戦は、荻原に新たな学びと成長を与えていく。
原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
【関連記事】
- 【独占インタビュー前編】浦和レッズSB・荻原拓也のクロアチア奮闘記「足はボロボロ。ピッチはデコボコ。シャワーも浴びられない」
- 【独占インタビュー後編】荻原拓也の本音は「森保監督に申し訳ない」 左SBが本職じゃない選手を起用せざるを得ない状況に「情けない」
- 【CLと日本人の歴史】それは小野伸二、稲本潤一から始まった...チャンピオンズリーグ出場チームの日本人は23年かけて今季は12人に
- 【CL開幕節でブレイク】サッカー日本代表に招集を チェイス・アンリ、荻原拓也、古橋亨梧...CL開幕節で輝いた日本人選手
- 【CL2024-25】ヨーロッパチャンピオンズリーグが大変革 組み合わせ決定で日本人選手13人にチャンス