森ひかる、アナ雪の衣装&ネイルで舞った! 「ありのままの演技」でパリ五輪切符/トランポリン
トランポリン・グランドチャンピオンシップ(12日、ヤマト市民体育館前橋)パリ五輪代表選考会が行われ、女子は森ひかる(24)=TOKIOインカラミ、男子は西岡隆成(20)=近大3年=が優勝。男女各1枠の代表に決まった。2021年東京五輪代表の森は2大会連続、昨秋の世界選手権で銅メダルの西岡は初の五輪切符を手にした。 力強く、そして美しく舞った。パリ行きの切符を獲得した森は、満開の笑顔でスタンドからの歓声に応えた。 「ベストな演技を見せることができて良かった。パリオリンピックの代表に決まって、すごくうれしいです」 エースはW杯5大会の合計ポイントのランキングで4位に入り、日本女子の出場枠を確保した。3月以降に難度を上げた構成で予選の1本目には56・000点をマーク。アドバンテージが適用され、112・360点で圧勝した。 2019年の世界選手権で優勝。金メダル候補として迎えた東京五輪はまさかの予選落ちだった。失意の中で一度は競技から離れた。石川・金沢市内の回転ずし店で時給900円(平日)のアルバイトも経験したが、トランポリンの楽しさを再認識し、22年2月に現役続行を決意した。「やりつくしたい」と今年からは拠点を東京から母校の金沢学院大に戻した。 その矢先の1月1日、能登半島地震が発生した。当時は東京から金沢への移動中で、新幹線の中に一時閉じ込められた。体育館も1週間ほどは使えなかった。「(石川は)今では大好きな場所。頑張っている姿を見てもらって、勇気づけられたら」と第2の故郷への思いは強い。 この日、着用したレオタードはディズニー映画「アナと雪の女王」のエルサをイメージしたもの。ネイルも青と白のエルサデザイン。練習では「スイッチが入る!!」と、「レット・イット・ゴー~ありのままで~」を聞いている。 再び立つ、夏の祭典へ。「自分の気持ちに正直に、その時にできることを精いっぱい。楽しめるように、頑張りすぎず頑張りたい」。映画の中のエルサのように、パリでは自分らしく輝く。(高橋朝香) ■森 ひかる(もり・ひかる) 1999(平成11)年7月7日生まれ、24歳。東京・足立区出身。金沢学院東(現金沢学院)高、金沢学院大を経てTOKIOインカラミ所属。4歳から競技を始め、2013年全日本選手権個人を史上最年少の14歳で制した。18年世界選手権のシンクロナイズド、19年世界選手権団体と個人で日本女子初の金メダル。21年東京五輪は予選落ちで13位。22年世界選手権は個人、シンクロナイズドで2冠。159センチ。