【速報】中1男子生徒自殺めぐり第三者委員会「いじめ」を認定 「教員への不信感が自殺につながった」 大阪・泉南市
大阪府泉南市で2022年、中学1年生の男子生徒が自殺したことについて、第三者委員会が31日午後1時から会見を開き、調査の結果、小学3年生のころから男子生徒に「いじめ」があったと認定し、不登校になる中、「教員への不信感などが自殺につながった」と結論づけました。 ▼【処分】「私への侮辱だと思い必要以上に叱責した」生徒のモノマネに教頭が激怒し不適切な言動 停職3か月に 男子生徒の母親は読売テレビの取材に対し、「学校や市は、何もなかったかのようにしようということばかり。亡くなってから、ずっと動きがなくて、ずっとそこに立ち止まっていたが、それがやっと一歩進めた。言い続けたことが認められてよかった」と語りました。
■小学生3年生のころからいじめ 学校や市教委に訴えても解決に至らず
2022年3月、泉南市の中学1年生だった松波翔さん(当時13)が自ら命を絶ちました。母親によりますと、翔さんは小学生の頃からいじめを受けるようになり、学校や教育委員会などに何度もいじめを訴えていましたが、解決には至らず、翔さんは自殺に追い込まれました。 さらに、翔さんが亡くなった後、遺族が「いじめによる自殺」だと話をしているにも関わらず、市教育委員会への報告などが行われず、市の第三者機関が「調査されていないのは異常な状態」と指摘するなど、市教委などの調査が十分に行われていなかったことが問題視され、自殺から半年後の2022年9月に第三者委員会が立ち上げられ、調査が進められてきました。
■市外に転校許されず 学校から「見捨てられた」という感覚に
調査報告書によりますと、翔さんは小学3年生以降、同級生に「あほ」「ちび」と言われたり、兄弟の悪口を言われたりするようになります。6年生の時には不登校になり、学校と保護者の関係も悪くなったとしています。 中学に進学後も「少年院に行っていたから学校に来れなかった」「少年院帰り」と言われるなどのいじめが続き、不登校が続く中、母親と学校との関係が断絶。市外の中学校への転校を模索したものの教育委員会から「市内の中学校に限られる」と伝えられたほか、継続していた家庭訪問がなくなり、苦しみから逃れる希望が絶たれ、学校から「見捨てられた」という感覚を覚えるなどしたため、心理的狭窄に至り自死を決意することに至ったと結論付けました。 また、自殺に至る要因として、「小学生時から中学校にかけて何度も教員との関係の再構築を試み、教員を信じようと行動しているが、幾度となく不信感を抱き、そして幻滅させられる結果となった」と指摘。死亡後の対応についても「学校側は自死の公表に向けて適切な対応を行うことができていなかった」としました。 第三者委員会は31日の会見で「初期対応がされていたらこれだけこじれることはなかったと思う。(学校や教育委員会が)保護者や被害児童にどれだけ寄り添えていたかは疑問があり、十分な対応だったとはいえない。学校としても学んでほしい」と語りました。 泉南市教委の冨森ゆみ子教育長は「ご指摘は厳粛に受け止めたうえで、報告書をさらに精査し、継続してこれまでの経緯の検証に努めてまいります。市長部局とも協力しながら、二度と同様の事態をおこさぬよう再発防止を図るための方策をまとめてまいります」とコメントを発表しました。 ≪悩みを抱えている人へ≫ 厚生労働省や自殺の防止活動に取り組む専門家などは、悩みを抱えていたら自分だけで解決しようとするのではなく、専門の相談員に話を聞いてもらうなどして欲しいとよびかけています。 ●電話「こころの健康相談」0570-064-556 ●LINE「生きづらびっと」友だち追加(ID:@yorisoi-chat) ●LINE「こころのほっとチャット」友だち追加(ID:@kokorohotchat)