人気の街「世田谷」で空き家が増加中。なぜ、81万戸に及ぶ<空き家だらけの都内>で、住宅価格が高騰しているのか
「住宅ストック維持・促進事業」とは
このように現在の住宅市場は、良質な住宅ストックが適正に評価されず、維持管理・リフォームを行うインセンティブが働かない悪循環構造にあります。そこで、「良質な住宅が適正に評価される」市場の整備が求められます。 こうした問題に対して、国⼟交通省は「⻑期優良住宅」や「住宅性能表⽰」「瑕疵保険」「インスペクション」「『安⼼R住宅』制度」「住宅履歴」等の住宅性能の確保や、客観的評価に係る各種制度の整備を進めています。 「良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業」は、これらの制度を活用し、維持管理やリフォームの実施などによる住宅の質の維持向上が市場において適正に評価されるような、住宅ストックの維持向上・評価・流通・金融等の一体的な仕組みを開発・普及等する取組に対して支援を行う事業であり、平成28年から行われています。 この取組により、「良質な住宅が適正な価格で流通する市場の整備」や「住宅の維持管理・リフォームの促進」、「住宅資産の有効活用の促進」、「ライフステージに応じた住み替えの促進」等が期待されます。
賃貸住宅経営を検討するなら、居住者が「関心をもつ住宅の特徴」を重視して不動産を選ぶべき
空き家問題、建物の老朽化に伴う資産価値の低下、管理委託費の高騰、など賃貸不動産における課題をいかに捉えるかが今後の賃貸経営を左右すると言っても過言ではありません。
賃貸住宅経営のポイント
賃貸住宅経営は「品質」「機能」「意匠」の3点から居住者が満足のいく不動産を選ぶことができるかが鍵です。 たとえば、下記の方法が挙げられます。 ・維持管理を徹底して快適な住み心地が実現する ・室内だけでなく、建物全体の健康診断(=インスペクション)によってる災害やトラブルから身を守る ・ライフスタイルに合わせたリノベーションを行い居住者のQOLを向上する 居住者が住み継ぐ、所有者が受け継ぐ、これらを繰り返すことによって古いものに新たな価値が見出されて、社会的意義をもつ活動となって推し進められることがこれからの賃貸経営の魅力と言えるのかもしれません。 挽地裕介 リノベーションバリューデザイン協議会 代表理事 REISM株式会社 取締役
挽地 裕介