パートナーシップ協定を結んだ（左から）梶原敏明教育長、斉藤麻衣社長、宿利政和町長＝玖珠町役場

　大分県玖珠町は来年度から、小中高生がドローンに親しんだりウェブデザインに取り組んだりできる環境を整える。民間でつくる「くす未来部」を立ち上げ、地域移行を進める部活動の受け皿にもしたい考え。来春の本格始動を目指し、11月には体験会を予定している。 　廃校になった旧森中（町内帆足）を活用した町サテライトオフィスでコワーキングスペース（共有オフィス）を手がけるJOINX（ジョインクロス、本社・浜松市）の斉藤麻衣社長（39）が中心となり、興味を示した県内外の5社で8月初旬、運営団体の「くす未来部推進協議会」を設立した。 　部の活動は「ドローンスポーツ」「Kポップダンス」「宇宙科学」「ウェブ開発」の四つで、各分野の専門家が指導。11月3日に同オフィスで体験会を開き、年度内は試行的に始める。 　斉藤社長は「子どもたちの希望や人数の状況を見ながら、新年度に向けて準備する。いずれは活動の種類や規模を拡大していきたい」と意気込む。 　8月下旬に町と町教委、同協議会の3者でパートナーシップ協定を結んだ。宿利政和町長は「童話の里として、子ども中心のまちづくりを進めてきた。部活動の地域移行の好事例になれば」、梶原敏明教育長は「児童、生徒の可能性を広げ、玖珠の未来をつくる新たな取り組みになる」と期待を寄せた。 　町教委教育政策課によると、既存の部活動を総合型地域スポーツクラブなどが引き継ぐ例はあるが、企業の専門性を生かして新たな部活動を立ち上げるのは珍しいという。同課は「玖珠の子どもたちが最先端の技術に触れ、多様な体験ができる未来型の部活動を目指す」と話した。