鼻の手術で医療ミス、50代女性が脳に障害…市民病院が賠償金9937万円支払いで合意
岐阜県中津川市の中津川市民病院は8日、2021年に行った鼻の手術で医療ミスがあり、患者の50歳代女性に賠償金9937万6605円を支払うことで合意したと発表した。手術後に失語症など脳の障害を抱えるようになったという。市は市議会12月定例会に賠償金支払いに関する議案を提出する。
病院によると、女性は21年10月上旬に慢性副鼻腔(ふくびくう)炎の内視鏡手術を受けた。退院後に頭痛が治まらず、精密検査で脳に膿(うみ)がたまる脳膿瘍(のうのうよう)が確認された。同月下旬に再入院して治療を受けたが、意欲低下、自発性低下、失語症といった障害が残った。女性は昨年11月に退院。現在も外出時などで介護が必要な状態という。
病院は第三者機関の専門医に調査を依頼。手術前後のCT(コンピューター断層撮影法)検査の画像の比較などから手術中にミスがあったと判断した。鼻の付け根の奥付近を手術する際、脳に近い部分の複数の骨を傷つけ、脳に細菌などが入った可能性があるという。
安藤秀男病院長は記者会見で「医療レベルの向上を目指すとともに、患者様やご家族に心からおわび申し上げます」と謝罪した。