魚類担当職員も「図鑑でしか見たことがない」 エイリアンのような貝の仲間「ヤマトメリベ」長崎ペンギン水族館で初展示
ラッパのような大きな口を持ち、エイリアンのような不思議な見た目をした貝の仲間「ヤマトメリベ」が、長崎市宿町の長崎ペンギン水族館で初めて展示されている。全国的にも発見事例は少なく、展示は珍しいという。 口を投網のように広げて餌を狙うヤマトメリベ ヤマトメリベは、最大50センチにもなる日本固有の大型のウミウシ。水深50メートル以上の海底で生息し、体をくねらせながら遊泳し、大きな口を投網のように広げて小エビなどを食べる。半透明の体には赤い斑点と、「背面突起」と呼ばれる触覚のようなものが生えている。 展示の個体は20センチほど。5月2日に橘湾で養殖漁師が捕獲したもので、「クラゲみたいなものが浮いている」と連絡を受け、職員が確認した。刺激を受けるとかんきつ類やウリ類のようなにおいを発するのも特徴。飼育時に爽やかな香りが漂うこともあるという。 過去にも数回飼育に挑戦した同館。捕獲時の状態が悪く、展示まで至らなかったため、念願のお披露目となった。魚類担当の岡部敬斗さん（24）は「図鑑でしか見たことがなく、初めて見たときは思わず声が出た。飼育法の確立や、生態解明につなげたい」と話している。 （竹添そら）
