実質賃金"上昇の切り札"を活用して有望株を選別する条件
「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を発表する岸田文雄首相(写真:ブルームバーグ)
厚生労働省が11月21日発表した「勤労統計調査(9月確報)」によると、物価を考慮した1人当たりの実質賃金が前年同月比2.9%減となり、18カ月連続で前年同月を下回りました。賃金は上がっていますが、それを上回って物価が上昇しているため、実質的な所得は減っています。 政府は2日の臨時閣議で「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を決定しました。内閣府のWebサイトを見ると、経済対策の実現に向けて2つの取り組みが示されています。平たく言えば、企業が物価高を上回る“賃上げ”を促進していくこと、そしてその企業にとっての賃上げの原資となる“収益力向上”の実行を目指すということ、です。 現在、政府や日本銀行が目指すのは“賃金の上昇を伴う形で”2%の物価安定の目標を長期的に実現することです。これは、賃金が物価を上回って上昇する実質賃金のプラス転換が重要なポイントとなります。
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吉野 貴晶