悪路もガンガン走れるオールラウンドミニバン「三菱デリカD:5 」【最新ミニバン 車種別解説 MITSUBISHI DELICA D:5】
希少なディーゼルターボ採用 スムーズで力強い走りも魅力
独自路線を貫き続けた結果、誰も追いつけないどころか、追いかけることさえできなくなったクルマがいくつかある。ミニバンでいえば、デリカD:5がそれだ。 【写真】三菱デリカD:5の詳細を見る
エクステリア
もとは商用1BOXとして生まれたデリカ(デリバリーカーに由来)のボディを、4WDピックアップトラック"フォルテ〞のシャシーに架装した"デリカスターワゴン〞が出発点(1982年)。以来、本格的な悪路も走れる唯一のミニバンとして進化を重ね、2007年にモノコックボディを採用して現代的に生まれ変わったのがデリカD:5だ。現行モデルはデビューから16年が経過しているが、19年にはフルモデルチェンジ級のビッグマイナーチェンジが行なわれており、現在でも高い競争力を維持している。
乗降性
「モノコックボディになって、悪路走破性は低下していないの?」と不安になる向きもあるかもしれないが、ダカールラリーやアジアクロスカントリーラリーのサポートカーを務めた実績があるので心配無用だ。そもそもモノコックボディといっても、デリカは各ピラー部に環状の閉断面を回した"リブボーンフレーム〞という構造を採用している。今でこそ常識となった環状骨格構造だが、それを07年には早くも採用。19年のビッグマイナーチェンジでは、骨格結合部の形状を最適化したり、スポット溶接の打点数を増やしたり、構造用接着剤を導入したりなどの改良を実施。旧型オーナーが羨むレベルのしっかり感を獲得している。
インストルメントパネル
ボディサイズも、唯我独尊。全長と全幅はMクラスとLLクラスの中間だから、「LLクラスは取り回す自信がないけれど、Mクラスでは室内に余裕がない」というユーザーにはうってつけだ。エンジンも国産ミニバンでは希少なディーゼルターボ。コモンレール式高圧噴射システムに加え、尿素SCRとDPFを装備して、最新の排ガス規制もパスしている。最大トルクは国産ミニバン最強クラスの380Nmあり、これを8速ATでタイヤに伝達。低速トルクを活かしたスムーズな加速感と、有段ATならではの歯切れ良い変速感が味わえる。