ハルキウ州で3人死亡、56人負傷 ロシア軍が滑空誘導爆弾で攻撃
ウクライナ北東部ハルキウ州の州都ハルキウの中心部で22日午後、ロシア軍による攻撃があり、23日未明までに3人が死亡し、12~17歳の少女3人を含む56人が負傷した。地元当局が発表した。 【写真】ロシアの武器に「MADE IN JAPAN」の文字 当局によると、ロシア軍は4発の「滑空誘導爆弾」を投下。市内のバスターミナルに近い5階建ての集合住宅に命中した。他にカフェや商店といった民間の建物が被害を受けたといい、検察は新たな戦争犯罪として捜査している。 この爆弾は翼があり、標的まで正確に飛ぶような性能を備えたもので、現在のウクライナ側の防空体制では迎撃が難しいとされる。ゼレンスキー大統領によると、ロシアは6月だけでこの爆弾を2400発以上使用。そのうち約700発がハルキウ州で使われたという。 ゼレンスキー氏はSNSで「ロシアによるテロ行為は止めなければならないし、止められる。パートナーたちによる断固とした決断が必要だ」と主張。ビデオ演説では、地対空ミサイルシステム「パトリオット」の供与や、F16戦闘機の操縦士の訓練の加速といった協力を支援国に呼びかけた。 ハルキウ州では5月10日にロシアが新たな地上侵攻を始め、国連機関によると、5月だけで400人を超える死傷者が確認された。ホームセンターへの攻撃では19人が亡くなり、滑空誘導爆弾はここでも使われていた。(ロンドン=藤原学思)
朝日新聞社