全職員が秘密事項閲覧できる状態、20年度から3年間 福島空港工事入札妨害事件
福島県が発注した福島空港の土木工事の入札で、秘密事項の設計金額を業者に漏らしたとして県職員が在宅起訴された公契約関係競売入札妨害事件を巡り、福島空港事務所では2020年度から22年度までの3年間、全職員が秘密事項の設計金額などの入札情報を閲覧できる状態だった。県が2日までに明らかにした。 設計金額などは入札の公平性維持のため入札担当者のみが知り得るものだが、県によると当時、設計金額などは空港事務所のパソコンの共有フォルダーに保存され、全職員が閲覧可能だった。在宅起訴された当時の空港事務所建設課主査の男(43)=会津若松建設事務所主査=は入札の担当ではなく、県の聞き取りに、共有フォルダー内のデータを見て情報を漏らしたと説明している。 空港事務所には22人が所属。県は全職員が共有フォルダーを閲覧できるようにしていた理由について、新型コロナウイルス禍で2班体制での交代勤務だったことから、担当ではない班の職員も問い合わせに対応できるようにするなど「業務を効率的に進めるためだった」とした。 福島空港の工事を巡っては、別の工事入札で情報を漏らしたとして、空港事務所建設課主査の男(50)が官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪で8月に在宅起訴、当時の課長が同罪で略式起訴され、罰金50万円の略式命令が確定した。
福島民友新聞